10万円まで、疲れず部屋に合う テレワークチェア6選

日経トレンディ

「セイルチェア」(ハーマンミラー)
「セイルチェア」(ハーマンミラー)
日経トレンディ

最高のリモートワーク環境と切っても切り離せないのが椅子。多くのメーカーもそろって、「売り上げが伸びた」と言う。そこで、オフィスチェアの取材経験が豊富で、自身も長くライターとして座業を続ける納富廉邦氏にテレワーク用の椅子を6つリストアップしてもらい、すべて試してもらった。

豊富な機能で使い勝手も秀逸

テレワークで使う椅子は、「家の雰囲気になじみやすいサイズやデザイン」「座面や背もたれが体にフィットするなど、長時間座り続けやすい」といった点が重要。価格は3万円前後でも長時間使うとリクライニング部分などが壊れやすいなど、使い続けるには5万~9万円が狙い目だと思っている。

実際に座ってみたところ、重視したいポイントを押さえていて、特に気に入ったのが「セイルチェア」(ハーマンミラー)だ。まず、細かい調整がしやすい。背もたれのリクライニングロックのレバーが椅子の座面と背もたれのような形をしていて、座面部分を前に倒せば前傾姿勢になるなど、椅子の状態と連動するので直感的に使える。

集中したい時、のんびり座りたい時、どちらでも使える椅子という点も、自宅で使う椅子選びでは重要なポイントだ。その点、セイルチェアで特にうまくできていたのが背もたれ。3Dサスペンションの構造が、特に調整をしなくても骨格に沿って体重が支えられることに驚いた。ひじ掛けの高さも調節可能で、前傾姿勢でも、半分寝そべったようなリクライニングを深く取った姿勢でも、体を預けやすい。

しかもフレームレスの背もたれを筆頭に洗練されたデザインで、必要以上の存在感を主張せず、家に置きやすいというポイントもしっかりと押さえている。これだけの機能と快適さを備えて、価格も約8万円とは驚きだ。

米国のゴールデンゲートブリッジをイメージしたという、フレームレスの背もたれのデザインが目を引く。操作性の高さや座りやすさなど、ワークチェアに求められる豊富な機能と、置く場所をあまり選ばない見た目を兼ね備えている1台だ
「セイルチェア」(ハーマンミラー)
●価格/8万3600円~(税込み)●サイズ/幅622×奥行き660×高さ882~997mm●保証期間/12年
椅子を模したデザインのレバーで直感的に操作できる
ひじ掛けは高さが調節可能
前傾にしても座面と背もたれが追従して体を支える

同様に必要な機能をしっかり備えながら、置き場所を選ばない椅子として魅力的だったのは「ノートチェア」(イトーキ)だ。背もたれ部分のメッシュ素材がフレームの内側まで巻き込むように張られているデザインが秀逸。見た目の印象がとても柔らかく、家に置きやすいポイントを押さえている。

ノートチェアは自分好みにカスタマイズしやすいのも魅力だ。まず背もたれの高さがハイ、ミドル、ローバックの3種類ある。キーボードでの作業が中心ならロー・ミドルバックが使いやすく、ゲームのように長時間コントローラーを握って遊ぶ場合は、ハイバックがラクだ。個人的には、仕事用の椅子なら肩甲骨あたりまで支えられれば十分快適に作業でき、リラックスもできると思った。

ひじ掛けは3種類から選べる。固定タイプだがデザイン的にとてもカッコいいループタイプ。高さに加えて角度なども自在に動かせる3Dアームタイプ。そしてひじ掛け無しのタイプだ。

ひじ掛けなしを選択肢に入れるのもポイントだ。機能面で劣るのでは、と思う人も多いだろう。だが、実はメリットも多い。例えば狭いスペースでも立ったり座ったりしやすく、机の中に椅子を収納しやすい。見た目もコンパクトで、価格が他のモデルより安くなる。

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柔らかい見た目に、カスタマイズも幅広い