ペット保険は何歳まで加入できる? 医療費7割補償も
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A.ペットの医療費はかさみがちですが、商品の仕組みや予算額を熟考して!
トクニャン(以下、トク) お得情報好きなネコ、トクニャンだニャ。リモートワークでおうちにいることが多くなったせいか、ペットブームらしいニャ。今回は、生損保に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の平野敦之さんに、「ペット保険」について教えてもらうニャ~!
平野さん(以下、平) こんにちは、トクニャン。「ペット保険」について知りたいそうだけど、ペットを飼うことを考えているんですか?
トク トクニャンの住んでる賃貸マンション、小型犬までならペットOKなんだニャ~。でも実家の愛犬は、晩年に手術・入院を繰り返してものすご~くお金がかかったから、ペットと暮らすなら保険に入っておいたほうがいいかニャ? と思って。
平 (ネコがイヌを飼うのか……汗)公的な健康保険がある私たちが病院の窓口で支払うのは、実際にかかった医療費の1~3割ですよね。でも、ペットの病気やケガにかかる医療費は飼い主が100%負担します。現代は長生きするペットも増えており、犬は14.44歳、猫は15.03歳まで平均寿命が延びているという調査も(*1)。若いときはいいけれど、人間と同じで、ペットも年を取ると病気にかかるリスクが高くなりますね。
*1 一般社団法人ペットフード協会「令和元年 全国犬猫飼育実態調査」より
トク 実家の愛犬ビーちゃんも、通院で毎月数万円はかかっていたニャ~(涙)。どういう補償内容になっているのニャ?
平 取り扱う保険会社によって異なりますが、一般的に動物病院での手術や入院、通院などでかかった医療費の50~70%が補償されます。人間の健康保険のように、提携病院の窓口で保険証のカードなどを提示して、自己負担分のみ支払う「窓口精算」ができるものも(*2)。また、犬猫だけでなくうさぎやフェレット、は虫類などに対応している保険もあります。
*2 アイペット損保やアニコム損保などが、提携動物病院において対応
「高齢ペット」は新規加入できない
トク へえ~。どこの保険会社でも「ペット保険」って取り扱っているのかニャ?
平 どこでも取り扱っているわけではありません。現在、取り扱っているのは、損保4社、少額短期保険会社10社の計14社(2020年9月時点)。このなかから比較検討して選ぶということになりますね。
トク なるべく保険料が安いところがいいニャ~。
平 ちょっと待って。そもそもペットが「保険に加入できるのか」を調べるのが先決ですよ。生後間もない場合や、7~12歳など一定年齢を超える高齢ペットは、新規加入できないですから。通常、更新はできますが。
トク ひえ~。保護犬や保護猫ちゃんをお迎えするときは気を付けないといけないニャ。保険料ってだいたいどれくらいニャ?
平 保険料は、補償割合やペットの品種・大きさなどによっても変わります。保険は1年ごとの更新になり、年齢によって段階的に保険料がアップします。「何歳まで更新できるのか」「先々の掛け金がどのように上がっていくか」をチェックすることもポイントですね。各社のサイトで試算したり、先々の保険料を確認したりして、「わが家の場合」を調べてみましょう。
トク そっか~。今が安くても、後でどーんと掛け金が上がることもあるんだニャ~。
平 内容も各社さまざま。例えばアニコム損保では、「病気の予防」という観点から「腸内フローラ」を測定し、健康の指標とするサービスもあります。
トク 人間ドックみたいだニャ!
平 人間の保険を選ぶときと同じように、まずは「保険に何を求めるのか」を整理しておくことが大事。そこから「予算」を考え、保険に加入するか貯蓄で賄うのかを決めましょう。
ファイナンシャルプランナー。証券会社、損害保険会社を経て、1998年に独立し「平野FP事務所」を開設。保険業界での実務経験を生かしたアドバイスに定評。
(取材・文 澤田聡子、イラスト おおの麻里)
[日経ウーマン 2020年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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