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ゼスプリCMの「キウイ兄弟」 目指すはミッキーマウス

売れるCMキャラクター探偵団

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

グリーンキウイとゴールドキウイの「キウイブラザーズ」が踊ったり涙したりしながら、キウイフルーツの魅力を伝えるゼスプリインターナショナルジャパン(東京・港)のCM。2016年の放送以降、売り上げも認知度も大幅にアップした。人間味すら感じるキャラクターで伝えるメッセージとは。

国内販売の伸びしろを攻める

河川敷を走っては10分で息が切れ、ジムでバーベルを上げれば日ごろの運動不足のせいで大苦戦。足つぼマットに乗って痛みに悶絶(もんぜつ)し、ストレッチでは硬い体が全く曲がらない。不慣れな登山ではクマに遭遇するし、無理してサウナに長く入って気絶してしまう……。体にいいことをストイックに取り組もうとするも、どれも挫折してしまう「キウイブラザーズ」。思わず「あるある」とうなずいてしまいそうになるエピソードばかりだ。失敗を重ねた結果、最後には他の果物たちと一緒に歌い踊りながら「ヘルシーは好きなことを楽しみながら」と、伝える。

キウイフルーツはビタミンCや食物繊維、葉酸など20種類の栄養素が含まれている。1つの食品でいかに効率よく栄養素が取れるかの指標である「栄養素充足率」は、他の果物に比べて圧倒的に高い。そこでおいしく効率的に栄養の取れる、キウイフルーツの魅力を伝えようとしているのがこのCMだ。

「2020年はブランドのロゴを新しくし、グローバルでブランドメッセージを刷新した。日本では『ヘルシーを、やみつきに。』というキャッチコピーで、もっと自分らしく健康的なことを続けていきませんかと訴えることにした」と、ゼスプリインターナショナルジャパンのマーケティング部APACマーケティング本部長・猪股可奈子氏は話す。

おいしいものに限って、罪悪感を抱いてしまいそうな材料が含まれていることがある。日本人はとりわけ真面目に考えすぎてストイックになりがち。そこで好きなことを通じて、無理なく健康習慣を身に付けてもらおうという思いをCMに込めた。

ゼスプリインターナショナルは、ニュージーランドのキウイフルーツを輸出する販売公社として設立された。国内の価格競争を無くして一枚岩での外貨獲得を目指した。00年に民営化され、19年度の売上高は2348億円(1NZD=70円換算)で、現在の輸出先は50カ国以上に上る。日本のキウイフルーツ輸入先はニュージーランド以外にも韓国や米国、チリなどがあるが、ニュージーランド産が約97%を占めている(18年、輸入金額別)。

ゼスプリ側にとっても日本は最も輸出額が高い国で、「これ以上は売れないのではないか」と考えていたという。しかし、15年にこれまでの定期調査に新たな調査方法を加え、結果の分析にも新たな視点を取り入れたことによって、「まだまだ伸びしろがある」ことが分かった。

例えば、旬の時期に週に1回キウイフルーツを食べていると答えた人は約24%だったが、バナナと比べると「意外と食べられていなかった」。そこで広告戦略を見直すことにした。以前は坂口憲二、蛯原友里、藤原紀香、石原さとみ、剛力彩芽、瀬戸朝香といった著名タレントがキャラクターを務めていた。確かに認知は向上したが、「ブランドイメージが芸能人そのものになってしまい、キウイフルーツ自体の良さが伝わっていない」という皮肉な結果を招いた。

そこで商品自体をキャラクター化し、キウイフルーツの魅力を前面で訴求することにした。その結果生まれたのが「キウイブラザーズ」だった。

語り尽くせないキウイの魅力

「キャラクターが決定するまで、世界中のさまざまなキャラクターを比較検討した。最終的にはおいしさが伝わりやすいか、特に立体のアニメーションにして動きが出てきたときに、うまくメッセージを伝えられるかを重視して決めた」と猪股氏。

キャラクターは決まったものの、すぐ順風満帆とはいかなかった。ゼスプリグローバルチームに広告戦略の変更を報告した際、これまでのCM方針を変える必要性をなかなか納得してもらえなかったのだ。説得に時間を要したが、16年に初めて放送した「キウイはビタミンだけじゃない」篇が大きな反響を呼んだ。ただ、キャラクターとブランドとの関連性に対する認知が弱かった。そこで17年はゼスプリシールを中心に訴求。18年はよりおいしく食べてもらえるよう追熟によるおいしさを伝え、19年は自分の好きな果物を食べるときの気持ちの高揚感を「アゲリシャス」という造語で表現した。

キウイブラザーズを起用して以降、売り上げは右肩上がり。15年の年間輸入量は2080万トレー(7.3万トン)だったが、20年には3000万トレーに達する勢いだ。「以前は日本で2000万トレーに到達できればと話していたが、飛躍的に伸びた」と、猪股氏もキウイブラザーズの販促効果に驚く。そして今では韓国、ベトナム、イタリア、オランダ、ドイツ、ベルギー、フランス、スペインでも公式キャラクターとして活躍している。

日本でも宮崎県などで契約農家によるゼスプリキウイの栽培が少しずつ広がっている。輸入と合わせて潤沢に通年販売ができる規模に育てるには、10年ほどかかると猪股氏は見ている。「(契約農家を)これからどんどん増やしていきたい。そのためには、キャラクターを飽きさせないようにするのが課題。ブラッシュアップを重ねて新鮮さを失わないようにしたい。目指すはミッキーマウス」と言い放つ猪股氏。世界屈指のキャラクターを引き合いに出されては、「キウイ兄弟」のプレッシャーも相当なものだろう。しかし、それをはねのけ負けじと努力する二人の姿を、なぜか無性に見てみたくなる。

(ライター 北川聖恵)

[日経クロストレンド 2020年11月20日の記事を再構成]

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