ニューノーマル時代の今、ジャケットの選択肢は仕事ジャケットに留まらず、ニットジャケットから機能素材ジャケット、シャツジャケットとバリエーションも豊富。だからこそ、今、カジュアルに「ジャケットを着ない手はない」というわけだ。そんな「ジャケットカジュアル」で大人っぽく、おしゃれにパワーアップできるコーディネートのノウハウを徹底レクチャーする。これでもう、この秋冬のカジュアルスタイルは怖いものなし!
Tweed Jacket(ツイード ジャケット)
「ソフトツイード」を選択しよう
大人の渋みを演出するのに絶好である反面、年齢以上に老け込んで見える危険も……。ツイードジャケットはそんな渋ジャケットの代表例。とくにガシッと硬い生地のものは、本格的ではあるが野暮に陥りやすい。それを避けるためには、できる限り柔らかなツイードを選ぶといい。そしてカジュアルにツイードを着こなすには、シャツよりもニットを選んだほうが断然モダン。さらに選ぶニットの色や柄が効いていれば効果は抜群。一層若々しく装えるはずだ。
■ANTONIO PANICO(アントニオ パニコ) <左>
王道のヘリンボーン柄を配したグレーのツイードJK。生地はやや厚地だが、風合いはソフトで着込めばさらに身体に馴染んでいきそうだ。低いゴージ位置やチェンジポケット、程よいシェイプによりクラシックな着こなしも似合う一着だが、写真のように細身のリジッドデニムを合わせると簡単にツイードのオジさん臭さが払拭できてよい。またインのタートルがありがちな黒無地ではなく、アーガイル柄というところにも注目を。これも茶目っ気ある大人を印象付けるテクニックなのだ。54万円(日本橋三越本店)
■LARDINI(ラルディーニ) <右>
茶系のチェック柄という英国カントリーの趣き強い生地だが、ツイードとしてはかなりソフトで軽量。芯材をほぼ排除した仕立てや、何よりラルディーニらしいクラシックモダンなデザインにより、今らしく軽快に着用できる一着だ。写真ではベージュと相性がよいマスタードカラーのニットを挟むことでぐっと若々しい雰囲気に。下をオフ白のチノパンとし、スッキリ仕上げたのもポイントだ。ソックスのオレンジもチラッと利かせている。ジャケット生地の混率はウール88%+ナイロン12%。12万4000円(ストラスブルゴ)
Corduroy Jacket(コーデュロイ ジャケット)
「細畝、そして機能派」を選択しよう
ツイードと同じくカントリー出自のためか、コーデュロイも一歩間違えると野暮ったく見えがち。とくに太畝タイプはその傾向が顕著。シックに見せたいなら細畝を選ぶのが鉄則だ。より都会的に着こなしたいのなら、よくありがちなブラウン系をあえて避けるのもいいだろう。ちなみに最近はストレッチの効いたコーデュロイも、じつは豊富。それを存分に生かしてアクティブにまとめてみるのも今らしいテクと言える。臆せず挑戦してみて欲しい。
■AZABU TAILOR(麻布テーラー) <左>
立体的な畝といい、表面の光沢感といい、どこから見てもコーデュロイそのものだが、じつはこちらはジャージー。それでいて軽量な半毛芯を仕込み、しっかりテーラードの顔つきを維持しているのがさすが麻布テーラーだ。ここではジャケットのネイビーに合わせてブルーのニットパーカと白スニーカーを合わせ、コーデュロイ持ち前のスポーティさを活かした。いかにも休日のお出かけに相応しい。コットン71%+ポリエステル27%+ポリウレタン2%。6万4500円〈オーダー価格〉(Y&Mプレスルーム)
■ESTNATION(エストネーション) <右>
コーデュロイと言えば茶系やカーキといった土臭い色味が多いが、エレガントに装いたい人には、この綺麗なオフ白は格好だろう。しかもこの生地は4WAYにストレッチ。軽快な仕立てや、ややゆとりのあるボクシーなシルエットとともに非常に快適な着心地を叶えている。ちなみに色味的に洒脱さが強いので、写真のようにインナー&靴をブラウン、パンツはグレー、とシックな色合いでまとめるとバランスが取れておすすめだ。ポリエステル89%+ポリウレタン11%。4万2000円(エストネーション)