部下の声には親の気持ちでうれしそうな顔 ノジマ社長ノジマ 野島広司社長(上)

ノジマ社長 野島広司氏
ノジマ社長 野島広司氏

家電量販大手ノジマは首都圏を中心に250店舗以上を展開し、連結売上高は5000億円を超える。神奈川県北部に位置する相模原市の小さな電器店からスタートし、大きく成長させてきた野島広司社長は「会社の従業員は家族みたいなもの」と語り、率直に意見を言い合う関係が理想と考える。だからこそ、リーダーは忙しいときほど「部下に話しかけられたら、うれしそうな顔を」と説く。

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――自身をどのようなタイプのリーダーだと思いますか。

「リーダーらしくないリーダーですね。強いて言うと、皆が話しやすくて使いやすい、親のような存在でしょうか。私は会社は家族のようなものだと思っています。従業員にも厳しく、温かく、愛情をもって接し、成長してもらいたいと考えています。経営者と労働者に分けるという考え方は私にはありません」

「会社という組織上、上司と部下という関係はあります。しかし、人間としては対等だと考えているので、あまり立場としての上下を意識していません。公私をはっきり区別する会社もあるでしょう。でも、私の場合、家族経営からスタートしたこともあって、上司は部下について人間性も含めてよく知らなければ、会社組織はうまく回らないと思っています」

――コロナ禍にあって、他社の従業員を出向で受け入れています。

「日本航空(JAL)やANAホールディングスなど、新型コロナの影響などで業績が厳しい会社から受け入れています。当社は経営理念として『社会に貢献する経営』を掲げているからです。簡単に言えば、困っている人がいたら手を差し伸べる、当社だけが利益を上げるより周りの方に少しでも喜んでもらいたい――ということです。2008年のリーマン・ショックで業績が厳しかったときも、他社で内定を取り消された人を採用しました」

地元にできるだけお返しを

「出店先の地方自治体には、例えば今年はマスク1億円分といったかたちで寄付を続けています。その地域に住むお客さまに商品を買っていただいているからノジマがあるのです。ですから、できるだけお返しをしようという意図です。スルガ銀行への出資も根本の部分は同じです。当社の出店地域に重なる部分も大きいですし、地元で困っているなら何か協力しようというのが一番大きいですね」

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会社を継ぐしかないと決意