ビリギャル苦手意識バイバイ 絵の見方に「正解」不要アートから学ぶ(前編)

アートが苦手という小林さやかさん
アートが苦手という小林さやかさん
ギャルの女子高生が慶応大に合格するまでを描いた「ビリギャル」のモデルになった小林さやかさんが、様々な分野の専門家に率直な疑問をぶつけます。今回はアート編。大学院生になったビリギャルが、あなたにかわって勉強してきます。

私の母、通称「ああちゃん」は昔、画廊で働いていたの。今でも美大に通って勉強するぐらいアート好きなんだけど、私はなんでそんなに絵が好きなのか理解できなかったし、「ビリギャル」高校生だったときも美術の授業は嫌いだった。でも最近、生徒がワクワクしてどんどん発言したくなるような美術の授業をしている先生がいるって聞いたの。一体どんな授業なんだろう? 「13歳からのアート思考」の著者で、都内の学校で美術教師をしていた末永幸歩さんをたずねたよ。

――美術の先生にこんなこと言いにくいんですけど、昔から音楽も含めて芸術に触れて、何も感動しないというか、「ふーん」という感想しか出てこなくて。自分には美的センスがない、そんな自分が残念だなって思っていたんです。

「絵を見て感想が出てこないという人は多いですが、それって感性がないわけじゃないんです。絵に何か正解があるような、高尚なものというような考え方が、自分の中にある感性を見つめることを阻害しているんじゃないかなと思うんですよね」

「じゃあここで試しに、以前、書店のイベントで題材にした、エドワード・ホッパーという米国の画家の絵を見てみましょうか。『ナイトホークス』(夜更かしをする人々)というタイトルなんですが、これはどんな場面だと思いますか?」

(C)The Art Institute of Chicago, Friends of American Art Collection, 1942.51

――うーん、これはですね…、1980年くらいのすごく景気がよくないときのアメリカ。だからちょっと人気もなくて暗いんです。レストランの奥にマスターとしゃべっている男の人と女の人がいて、この男の人は銀行マンなの。このままだと会社がつぶれちゃうってぼやいていて。手前に座っているおじさんは、ヤバい人なの。裏社会をいろいろ知ってる謎の人。だから銀行マンの話を聞いてフフンと鼻で笑っているという絵、かな。

「すばらしい。苦手とお話されていましたが、自分の言葉でもう表現できていますよね」

――本当?この解釈が合っているかわからないですけど。

「『実はこの絵の背景は…』という私からの解説はないんです。ぜひ、今のような形で『誤読』というか、自分なりに解釈してほしいなと思っていたんです。私が授業や講座でやっているのはまさに、作品と対話することなんです」

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