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目指せ、女性の登壇者3割 多様な意見を引き出す場に

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NIKKEI STYLE

ビジネスイベントや企業の会議で、女性の参加やその割合の目標を明確に打ち出す動きが広がっている。多様な意見を引き出す場にするためだ。公の場に参加する女性が増えることで、若い女性がロールモデルを見つけやすくなるという期待もある。

10月末にイベント開催のコムエクスポジアム・ジャパン(東京・港)が開いた広告・マーケティング業界のビジネス会議「アドテック東京」。女性登壇者の比率が33%と初めて3割を超えた。

アドテックは例年、世界の主要都市で開かれ、日本はアジア最大級の規模を誇る。今回は登壇者211人、来場者6397人が集まった。そんなイベントが登壇者の見直しに動いたのは2年前、親会社の仏コムエクスポジアム幹部の一言がきっかけだった。

「日本の登壇者は男性ばかりだね」。当時の女性比率はわずか6%。来場者の4割が女性で海外からの参加が増えていることも踏まえて、イベントに多様性の観点を入れることにした。

まずは女性登壇者3割を目指して人選を見直した。それまでも毎年、半分は初めて登壇する人にしてきたが、候補者リストに挙がってくるのは大半が男性だった。そこで、アドバイザリーボードのメンバーや過去の男性登壇者に女性を紹介してもらえるように働きかけると、意外にも適任者が多く挙がった。

選考には2倍以上の時間をかけたが、2019年は28%まで増やすことができた。一般的に知名度の低い登壇者が増えたことでイベントに対する評価が下がることも懸念したが、事後のアンケートでそうした不満は皆無だった。

これに自信をつけ、今年はいよいよ3割超えを実現したわけだ。コムエクスポジアム・ジャパンの古市優子社長は「一回登壇すると他のイベントにも声がかかり、機会は増えていく」と今後の変化にも期待する。

同イベントに登壇したアーティスト、スプツニ子!さんは国内外のイベントで話す機会が多い。「米国ではもはや、登壇者に女性が1人だと批判の対象になるくらい。将来について議論する場で男性ばかりが語るのは、座組に問題がある」と指摘する。

先日50人が登壇するイベントに招かれた際に女性はわずか2人だった。もっと増やすよう主催者に働きかけたところ「話せる女性がいない」といわれ、自ら50人分の女性リストを作り送った。「従来のコミュニティーで探しているから見つからない。最近は女性登壇者リストを掲載したサイトもある。まずは開催する側がこの問題に気づくことが大切」と強調する。

では、現実的にどの程度まで増やせばいいのか。イベントの規模や内容にもよるが、政府が女性活躍の目標として掲げてきた30%が一つの目安になるだろう。30%とは、数に気押されず少数派が自由に振る舞えるボーダーラインといわれる。つまり女性が男性の目を気にせず自由に発言できるようにするには、最低でも30%が必要になる。

 「形式的に女性を1人か2人登用する時代は終わった。男性パネリストばかりのパネル(panel)は、男性目線の意見を表すマネル(manel)だ」。日本の女性活躍や海外戦略を支援するメラニー・ブロックさんはこう話す。

ブロックさんはテレビの討論番組を見て男女比を確認し、SNS(交流サイト)などで発信している。「目標に向け一気に進めるにはトップ自らが行動する必要がある」として、オーストラリアの取り組みを例に挙げる。

企業経営者らが参加する「Male Champions of Change」では、ビジネスイベントなどへの講演を求められた際、女性の話し手が参加しないなら拒否しうると誓約している。男性ばかりでは聴衆に排他的な視点を与えることになり、目に見えるロールモデルに女性がいなければ女性リーダーの不在が続いてしまうと考えるからだ。

「適任の女性がいない」「女性が登壇したがらない」「来場者が女性登壇者を求めていない」といった言い訳も当然、禁句だ。

イベントに限らず、社内外の会議参加者も見直したのがAIGグループだ。AIG損害保険のケネス・ライリー社長兼最高経営責任者(CEO)らが8月、全社員に送ったメールでは「原則として20人以上の社員が集まる場においては女性をスピーカーに含めること」を求めている。

昇進の際には男女双方の面接を受けることや、採用、昇進の候補者リストに男女両方を含めることもルール化した。ライリー社長は女性リーダーが可視化されることで若い女性が自分もやればできると自信を持ち、幹部の気づきにもつながると期待する。

実際に営業店の幹部会議は男性ばかりだったが、リーダー候補の女性を発表者にしたり、議論のメンバーに入れたりすることで男性の意識が変わった。女性自身も見て学ぶ機会が増えたという。「発言者がすべて55歳以上の男性なら同じような意見しか出てこない。ほしいのは次の時代につながる新しく、とがったアイデア。1年後にその成果を話せると思う」。ビジネスの成長にも自信を見せる。

■10人集まったら多様性意識を
 「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%に」。この政府目標が掲げられたのは03年だ。17年たっても達成には遠く及ばないのだから、今までのやり方で女性登壇者を増やすのは容易ではない。
 コムエクスポジアム・ジャパンの古市社長は「10人集まったらダイバーシティを意識しよう」と提案する。まずは日常の会議や研修からメンバーを見直すことで、多様な意見を共有できる場にしたい。
(女性面編集長 中村奈都子)

[日本経済新聞朝刊2020年11月30日付]

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