共学でも「おとこくさい」 久留米大附設の自由と自治久留米大学附設中学校・高等学校(上)教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

西鉄久留米駅からバスで約15分のところにある久留米大学附設中学校・高等学校
西鉄久留米駅からバスで約15分のところにある久留米大学附設中学校・高等学校
久留米大学附設中学校・高等学校は孫正義氏など、個性的な人材を多数出している福岡県の有力進学校の一つだ。文化祭などの運営を生徒の自治に任せるなど自主性を重んじつつ、学校での自由とは?を自ら考えさせる校風が生徒の成長を支えている。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が訪れた。

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文化祭実行委員には規約も組織図もない

ソフトバンクの孫正義氏やホリエモンこと堀江貴文氏の母校である福岡県の久留米大附設高校は、1950年に男子校として設立された。1969年には中学が設立され、中高一貫校となった。

バンカラな男子進学校として有名だったが、2005年に高校が男女共学化し、2013年には中学も男女共学化した。しかし文化祭の名称はいまでも「男く祭(おとこくさい)」のままである。

例年、「男く祭」はゴールデンウイークの前半に2日間にわたって開催される。初日は学校で、いわゆる一般的な文化祭と同様の展示や発表やバザーなどを行う。2日目は公共のホールを借りて、著名人を招いての講演会や、演劇部・合唱部などの舞台が披露される。しかし記念すべき第50回目にあたる2020年の「男く祭」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。文化祭実行委員長の土橋乃空(つちはしのあ)さんは、今回の文化祭への思いを次のようにつづっている。

文化祭が開催されようとされまいと、「文化祭をする」ことに成功しようと必死にもがいたその経験が、かけがえのないものになる、当人の人生を支えてくれるものになるということを、先に社会に旅立つ私たちが今後の人生で示していきます。

土橋さん(高3、以下、旧委員長)および次期文化祭実行委員長の山中心源さん(高2、以下、新委員長)、そして生徒会長の井浦健人さん(高2、以下、生徒会長)3人に集まってもらった。話題は「男く祭」の伝統から生徒自治、久留米大附設における自由の意味にまでおよんだ。

――久留米大附設(以下、附設)の文化祭はどのように運営されているのですか?

旧委員長 附設の文化祭実行委員には、規約も組織図もありません。毎年5人の幹部を決めるところから始まり、必要に応じて少しずつ必要な組織を設置して、メンバーを増やしていきます。

新委員長 毎年組織構造を検討するところから始めるんです。

旧委員長 例年12月ごろに主要メンバーが決定し、1月に企画書を学校に提出します。倫理的にアウトなものでない限り、先生がダメ出しすることもほぼありません。そういったところも、附設が「自由な学校」と言われるゆえんのひとつだと思います。

新委員長 パンフレットには地元企業の広告が多数掲載されています。パンフレットの本編は約50ページですが、そのうしろに広告が100ページ分掲載されています。その広告収入でパンフレットは制作されています。企業への営業ももちろん生徒たちが行います。

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