子供ができて妻の性格が変わった?漫才師・作家、山田ルイ53世さん

やまだるい53せい 1975年兵庫県生まれ。愛媛大学中退後に上京し、芸人の道へ。99年、ひぐち君と「髭男爵」結成。2018年には月刊誌連載の「一発屋芸人列伝」が「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞受賞。
やまだるい53せい 1975年兵庫県生まれ。愛媛大学中退後に上京し、芸人の道へ。99年、ひぐち君と「髭男爵」結成。2018年には月刊誌連載の「一発屋芸人列伝」が「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞受賞。

子供ができてから、妻の性格が変わったように感じます。私が家事を手伝うと自分のやり方と違うと怒り、妻の領域には手を出さない方がいいのか?と思うことさえあります。分担する気はあるのですが、どういうアプローチが正解なのでしょうか。(愛知県・30代・男性)

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良かれと思って手伝っているのに奥様の不興を買ってしまうと、途方に暮れる相談者。少々気になるのは、“妻の領域”とか、“分担する気はある”といった物言いです。

これが我が家なら、「『本来は、俺がやることじゃない』ってこと!?」「『する気はある』って何? エラそうに!」とのツッコミが即座に飛んでくることでしょう。

つまりは、“お客様気分”で家事に参加していませんかということ。少なくとも、奥様の目にもそう映っている可能性は否定できません。

妊娠・出産は、大袈裟ではなく命懸け。性格や人生観の1つや2つ変わることもあるでしょうが、何より“変わった”のは仕事量です。

簡単な話、“育児”の分、奥様は以前にも増して忙しくなった。そうでなくとも、家事は重労働で頭脳労働でもある。筆者は常々、「農業」「工業」「主婦(主夫)業」と並べても遜色のない、基幹産業のようなものだと感じていますが、いずれにせよ、お手伝い程度で「助かったー! ありがとー!!」と感謝されるような、生やさしい“職場”ではないのです。

“妻の領域”と尊重するのは悪いことではありませんが、心からそうお思いなら黙って奥様の流儀に従うべきでしょう。

寿司店で見習いが「大将! 軍艦巻き、俺がやります!」と息巻いたところで、「生意気言ってんじゃねー! 床でも磨いとけ!」とドヤされて終わりでしょうし、「この契約書、フォーマットが違うぞ!?」と上司に叱責された新入社員が、「じゃあ、やらない方がいいっすか?」とふて腐れていては、使いものにならない。……同じことです。

数年前。家族が寝静まった深夜、小腹が空いたので茶漬けでもと、筆者が食器棚の茶碗を手に取ると、小さくて硬いものが指先に触れました。目を凝らすと米粒。乾いて器と一体化し、爪でカリカリやってもビクともしません。

翌朝、「ちゃんと洗おう!?」とやんわり妻に抗議しましたが、「そもそも、ご飯粒を残すのが悪い!」と始まり、揚げ句、「洗剤を使ってるから、その米は清潔だ!」とへ理屈をこねだす始末。

以来、食事の後片付けは筆者の“領域”に。……そんなアプローチもあります。

[NIKKEIプラス1 2020年11月28日付]


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