早いもので2020年も12月を迎え、残すところ1カ月を切りました。社会環境が変化し、新しい生活様式が求められる時代を迎え、私たちを取り巻く状況も一変した1年だったように思います。ですが、そうした変革期においても、着実に活躍し続ける人というのは、どの世界にも存在します。

例えば、芸能界を例にとると、ドラマや映画に立て続けに出演している吉高由里子さんなどは、その1人に挙げられるのではないでしょうか。
特に今秋は、2017年に話題となった連続ドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)の3年後を描くスペシャル編『東京タラレバ娘2020』での主演を始め、10月スタートの日曜劇場『危険なビーナス』(TBS系)ではヒロインを演じ、10月23日に公開された映画『きみの瞳が問いかけている』では横浜流星さんと共にW主演を果たしています。
これらの3作品で吉高さんが演じ分けてきた役柄は、「タラレバ」ばかり言いながら恋に仕事に悪戦苦闘する今どきのアラサー女子、主人公の男性を惑わす小悪魔的な謎の美女、不慮の事故で視力を失った純粋な心を持つかれんな女性と、まさに多種多様であり、「全方位」でした。
現場の空気をつくる力
「全方位」と言えば、吉高さんの場合、演じる役柄だけでなく現場の空気をつくる「全方位」な気づかい力についても、共演者やスタッフらが明かしています。
『きみの瞳が問いかけている』の完成報告イベントで、横浜流星さんは吉高さんについて「いい意味で、テレビで見ていたそのまんま。明るく元気で、現場を引っ張り、空気を和ませてくれた」と評していました。
この映画のメガホンを取り、『僕等がいた』(2012年公開)でも吉高さんとタッグを組んでいた三木孝浩監督も、「当時から現場では、彼女の人柄や気づかいの心に助けられ、僕としては戦友だと思っています。今回も短いスケジュールの中で、現場は大変でしたが、吉高さんがいれば大丈夫だなと」と、吉高さんの現場の空気づくりを高く評価していました。
また、『危険なビーナス』で共演中のお笑いトリオ・3時のヒロインの福田麻貴さんもYouTube動画のなかで、メーク室で初顔合わせをした吉高さんにあいさつをしたときのエピソードを明かし、吉高さんから「初めましてじゃないじゃん、ガヤで会ってるじゃ~ん!」と、お笑いトーク番組『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)でひな壇にいた福田を覚えていてくれたことを説明し、「(吉高さんは)人と距離を取るのがめっちゃうまい。もうとりこになっちゃった」と、人との距離感の取り方のうまさに感激していました。
以前、マツコ・デラックスさんがトークバラエティー番組で真面目で奥手そうな男性にインタビューした際、好きな女性のタイプとして吉高さんの名前が出たときに「やっぱり彼女は全方位なんだな」とコメントしていましたが、まさに男女関係なく「全方位」で好まれるタイプと言えるのかもしれません。
視聴者からすると、吉高さんは自由奔放なイメージが強いかもしれませんが、『ぴったんこカン・カン』(TBS系)のロケで、安住紳一郎アナウンサーが「吉高さんは、もっとちゃらんぽらんなイメージがありましたが、意外に真面目でしっかりされているんですねぇ」と評していたように、日ごろから、あらゆる人に真摯に接し、しなやかな現場の空気づくりを心がけている吉高さんの人柄と姿勢が様々なコメントから伝わってきます。