驚異の性能にざわめく

その結果がすさまじい。アップルによれば、CPUの速度は従来の最大3.5倍だという。これまでは新しいCPUが登場しても、性能は「数割アップ」あたりが定番だったのが、いきなり「3.5倍」である。

「本当かな」と眉につばをつけていたテクノロジー好きの人は、デジタル製品の速度を測るベンチマークテストを実施して驚愕(きょうがく)する。本当に数倍高速なのだ。

動画の書き出しなどのヘビーな作業での差は顕著だ。しかも10万円そこそこのエントリーモデルで、20万円を超えるモバイルノートを凌駕するのだから恐れ入る。バッテリーが驚くほど長持ちするのも、iPadゆずりだ。

実は、M1チップに完全対応していないアプリは、「Rosetta 2」というプログラムを介して互換性を保ちつつ動かしている。普通はそうするとかなり遅くなるのだが、それでも従来の上位クラスのパソコンを上回る速度なのだ。

極めて高速なCPU「Ryzen 7 Pro 4750U」を搭載したWindowsノートパソコンのベンチマークテスト結果
M1チップ搭載のMacBook Airのテスト結果はそれを3割ほど上回っている

iPhoneやiPad向けのアプリも動く

Macはアプリが少ないという声がいまだに上がる。確かに、Windowsでしか動かないアプリも多い。ところが、M1チップ搭載のMacBookは、iPadやiPhone向けのアプリが動作するのだ。これによって、アプリのタイトル数は圧倒的に増え、今後もどんどん増加するだろう。Windows向けのアプリがいまひとつ増えないだけに、魅力を感じるユーザーも多いはずだ。また、開発者にとっても、iPhoneやiPad向けのアプリを作ればMacでも使えるメリットは大きい。

もちろん、ビジネス用途ではまだWindowsが強い。だが、ウェブ上のアプリを利用するケースはどんどん増えており、近い将来、Macでも問題なく仕事ができる可能性が高い。もちろんコンシューマー(一般消費者)向けでは、Macの人気が一段と高くなるだろう。

iPhone向けのアプリが動作する
アプリのストアではMac向けと、iPhone、iPad向けが選べる
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CPUによる「序列」が変わるきっかけとなるか
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