■7位 神様からひと言 荻原浩 560ポイント
他人の嫌がる仕事も頑張る

大手広告代理店から中堅の食品会社に転職した佐倉凉(りょう)平は販売会議で上司らの反感を買い「リストラ要員の強制収容所」こと「総務部お客様相談室」に異動させられてしまう。会社は「お客様の声は、神様のひと言」を社訓としていたが、実態は違った。

「日々嫌なことがあっても、この小説ほど嫌な思いはしない」(金子さん)。「クレームへの対応という他人の嫌がる仕事でも、さあ頑張ろうとつなげていく荻原作品の神髄が込められた作品」(堺さん)

(1)光文社文庫(2)755円(3)05年


■8位 駅物語 朱野帰子 520ポイント
身近な場所で感情移入

主人公は東京駅に勤める東本州旅客鉄道の新人駅員、若菜直。乗客同士のけんかや暴力、事故対応、社内の人間関係のもつれなど、トラブルには事欠かない。だが、若菜が東京駅での勤務を希望した本当の目的は、かつて自分を助けてくれた人たちを見つけるためだった。

藤村さんは「この世で駅を利用する全ての人に読んでほしい」と推薦する。「駅という誰もが身近に感じられ得る舞台は感情移入の宝庫」(竹田勇生さん)との声もあった。

(1)講談社文庫(2)836円(3)15年


■9位 プリティが多すぎる 大崎梢 500ポイント
やる気なしからやりがいに

第1志望だった名門老舗出版社「千石社」に念願かなって入社した新見佳孝。だが、3年目の人事異動で配属されたのは希望の文芸部門ではなく、女子中学生向けファッション誌の編集部だった。

「初めはいじけてくさりまくる彼が『現場』の人たちの姿勢にふれ変化していく」(藤村さん)。「仕事が苦手でやる気もなかった主人公が次第に成長し、やりがいを感じていくところに感銘を受ける」(内田俊明さん)。18年には千葉雄大主演でドラマ化された。

(1)文春文庫(2)748円(3)14年


■10位 営業零課接待班 安藤祐介 470ポイント
厳しい目標、チーム一丸で

IT(情報技術)商社で働く真島等。まったく成果が出せず、転職を考え始めていたところに新設の接待営業専門の「営業零(ゼロ)課」に行かないかと声がかかる。初年度の売り上げ目標は50億円。個性豊かな同僚同士がぶつかりながらも目標達成に向けて奮闘する。

「仕事はチームでやるものだと強く実感させられる」(芝さん)。著者に対し「前向きになれる仕事小説といえば、随一の書き手。その中でもこれは最高傑作」(内田さん)と絶賛する声もあった。

(1)講談社文庫(2)660円(3)12年


■11位 君たちに明日はない 垣根涼介 430ポイント
(1)新潮文庫(2)737円(3)07年
■12位 女たちのジハード 篠田節子 420ポイント
(1)集英社文庫(2)1034円(3)00年
■13位 ラストワンマイル 楡周平 390ポイント
(1)新潮文庫(2)825円(3)09年
■13位 BUTTER 柚木麻子 390ポイント
(1)新潮文庫(2)990円(3)20年
■13位 あしたの君へ 柚月裕子 390ポイント
(1)文春文庫(2)704円(3)19年
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