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家で本格チョコドリンク 英国発の「ベルベタイザー」

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日経クロストレンド

冷たい牛乳とチョコレートフレークを入れて側面のボタンを押すだけ。2分半待てば、「ベルベット」のように滑らかな舌触りのチョコレートドリンクが出来上がる──。その名も「ベルベタイザー」というチョコレートドリンクメーカーを、英国発のカカオブランド「ホテルショコラ」が12月中旬に発売する。18年に誕生して以降、英国で15万台を販売したヒット商品だ。

コッパー(銅色)、チャコール(グレー)、ホワイトの3色展開で、価格は税込み1万円。1800年代のチョコレートポットを模したという取っ手とボタンがあるのみのシンプルな外観ながら、実は無数の味を生み出せる。牛乳以外に、豆乳やアーモンドミルク、カシューミルク、ココナツミルク、ライスミルク、オーツミルクで代用でき、ホットドリンクにもアイスドリンクにも対応可能。「チョコレートムース」や「チョコレートマティーニ」といったアレンジメニューも手早くつくれる。

チョコレートフレークは、全12種類。ブロック状のチョコレートを削り、風味を逃さぬよう1杯分ずつ個包装しているのが特徴だ。定番の「クラシック70%」から、タスマニア産のペパーミントを使った「ミント」、ハバネロを加えた「アステカ」、ビーガン(完全菜食主義者)向けの「45% ナッツミルク」までフレーバーは多彩。「カフェラテ」も味わえる。いずれも1袋250円(税込み)で販売する予定だ。

ヒントは南米伝統のかき混ぜ棒

ベルベタイザーは、いかにして生まれたのか。開発したのはホテルショコラと、1945年に創業した英国の老舗高級家電ブランド「Dualit(デュアリット)」である。

クリーミーなチョコレートドリンクに仕上げるには、かき混ぜて泡立てる必要がある。しかし、泡立てすぎると、口当たりの滑らかさが損なわれてしまう。そこで参考にしたのは、南米に古くから伝わる木製のかき混ぜ棒「モリニーニョ(mollinillo)」だった。デュアリットはこのモリニーニョをヒントに、マグネット式のウィスク(泡立て器)を設計。速度を落としてゆっくりとかき混ぜることで泡立ちを抑えながら、静音性を高めることに成功した。さらに何度も試飲し、最適な加熱温度は68度であると突き止めた。

ベルベタイザーは冷たい牛乳を内部のヒーターで加熱し、温度が68度に近づいたら自動的にヒーターが切れる。その後もしばらくウィスクは回り続け、残熱を取り込んで68度に達した段階でウィスクの回転が止まる仕様だ。こうすることで牛乳が焦げるのを防ぎ、さっと水洗いするだけで手入れが終わる。

本体内側に目盛りがあるため、計量カップも不要だ。ホットドリンクの場合はMAXの線まで牛乳を入れる。アイスドリンクの場合はMINの線まで牛乳を入れ、ウィスクの回転が止まった後に冷たい牛乳をMAXの線まで足して氷入りのグラスに注げばよい。取っ手があるため、片手で持てる。二重構造になっており、加熱中も外側はほとんど熱くならない。実は、細部まで考え抜かれた製品なのだ。

「ホテルショコラ」とは何者か

ホテルショコラは1993年、英国で最も早くチョコレートのオンラインショップを開設し、2004年に英ロンドン北部に初の店舗を出店した。その後、カリブ海に浮かぶセントルシア島で1745年から続くカカオ農園「RABOT ESTATE(ラボエステート)」を買い取り、06年からカカオ栽培に乗り出した。

11年には同島にレストランやスパを併設したリゾートホテル「ブカン バイ ホテルショコラ」を開業。カカオを使ったセントルシア料理が好評で、13年には英ロンドンにもレストランをオープンした。14年にはデンマークのコペンハーゲンに進出し、16年にはロンドン証券取引所に上場。今や英国全土に120店舗以上を擁する。

日本に進出したのは、2年前だった。18年11月、埼玉県越谷市の商業施設「イオンレイクタウンmori」に1号店を開業。1年後の19年11月、東京・表参道に初の路面店を出し、20年8月には東京の丸ビル(丸の内ビルディング)に店を構えた。都心だけでなく、地方にも店を増やすことで、全国的に知名度を引き上げる狙いだ。

20年10月30日、イオンモール各務原(岐阜県各務原市)への出店をもって10店舗を達成。日本法人であるホテルショコラ(東京・品川)のクリス・ホロビンCEO(最高経営責任者)は「21年の半ばには25店舗まで増やす。3年から4年かけて100店舗まで広げていきたい」と力を込める。

「More Cacao, Less Sweet」

ホテルショコラのコアバリューは3つある。オリジナリティー(ORIGINALITY)、オーセンティシティー(AUTHENTICITY)、エシックス(ETHICS)だ。

オリジナリティーとは、独創的であること。中でも、カカオ豆を余すことなく使った多角的な商品戦略に強みがある。チョコレートだけでなく、「カカオビール」やカカオを使った美容アイテム「RABOT(ラボ)1745」シリーズを開発。カフェやレストランも経営し、カカオニブを使ったフードメニューを提供している。

日本の店舗では、カカオ料理が楽しめるカフェ「Rabot Estate Coffee(ラボ エステート コーヒー)」の併設をスタート。20年10月に開業した「湘南ENOTOKI店」(神奈川県藤沢市)では、アイスランド産のタラを、カカオニブ入りの衣をつけて揚げた「フィッシュ アンド チップス」などをそろえている。

オーセンティシティーとは、本物志向だ。ホテルショコラが提唱するのは「More Cacao, Less Sweet」である。「市販のチョコレートの多くは主成分が砂糖になっているが、それは本来のチョコレートではない。我々のチョコレートはパッケージの成分欄の最初にカカオと記すほど、カカオの含有量が多い」(クリス氏)。砂糖を極力減らし、カカオをたっぷり使うことで、カカオ本来が持つ風味や個性を生かしたヘルシーで上質なチョコレートというブランディングを推し進めている。

エシックスとは、倫理的であること。ホテルショコラはセントルシア島やガーナなどで220を超えるカカオ農家を技術的、経済的に支援し、生産したカカオは「全部買い取る保証をしている」(クリス氏)という。カカオ豆の殻を使ってビールを醸造するなど廃棄物の再利用にも積極的で、21年末までに全パッケージを堆肥化可能、再利用可能、リサイクル可能にする目標も掲げている。

ゴディバやリンツ、レオニダスなど海外発チョコレートブランドの層は厚い。ホテルショコラは後発だけに、健康志向やSDGs(持続可能な開発目標)の文脈にもはまる、こうしたブランドとしての個性をいかに伝えていくかがポイントになる。税込み1万円という値ごろ感のある価格でベルベタイザーを発売するのも、まずは試してもらいたいからだ。ベルベタイザーを使う人が増えてチョコレートドリンクを飲む習慣が広まれば、チョコレートフレークの販売も伸び、新たな収益の柱になる。ゆくゆくはチョコレートフレークの定期購入プランの導入も検討しているという。

目指すは、ココア市場の一部を取り込むこと。ホテルショコラのブランドディレクター長瀬智子氏は「砂糖が控えめなので、親として安心して子供に飲んでもらえる」と言う。「小さいころ、大好きで飲んでいたココアも今考えたら、砂糖が多く入っていた。ココアから、ホテルショコラのチョコレートドリンクへ。数年後、そんな食卓が全国に広がっているといいなと思っている」(長瀬氏)。日本進出から丸2年。カカオブランドとして暮らしに身近な存在になれるか。大勝負がこれから始まる。

(日経クロストレンド 酒井大輔)

[日経クロストレンド 2020年11月18日の記事を再構成]

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