シャープ、液晶技術でフェースシールド 光の反射1/15

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シャープのフェースシールド、アイシールド、マウスシールド。チタンフレームのモデルはいずれもフィルムが2枚付属する。フェースシールドとマウスシールドはMとSの2サイズある。ポリカーボネートフレームのフェースシールドはMサイズのみでフィルムが1枚付属する
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シャープは企業の受付や対面で接客を行うサービス業などを中心に需要が高まっているフェースシールド、アイシールド、マウスシールド計4製品6モデルを発表した。2020年11月9日より順次発売、直販サイトでの価格はポリカーボネートフレームを使用したフェースシールドで1980円(税込み)から。シリーズ合計で年間3万個の販売を目指す。

フィルムの両面に、液晶ディスプレーの製造技術を応用したモスアイ技術と呼ぶ特殊な加工を施しているのが特徴。日光や照明の反射を一般的な製品の15分の1に抑え、呼吸による曇りを低減した。光の透過率が高いポリカーボネート製でクリアな視界も確保している。フレームには耐久性と耐食性に優れたβチタンを使用しており、フェースシールドにはポリカーボネートフレームを使用して価格を抑えたモデルも用意する。

一般的なフィルム(左)とモスアイ技術を使ったシャープのフィルム(右)に水蒸気を当てているところ。シャープのフィルムは水滴が素早く拡散するため曇りにくい
一般的なフィルム(左)とシャープのフィルム(右)に光を当てているところ。モスアイ技術を使ったシャープのフィルムは光の反射が目立たない

デザイン監修にプロダクトデザイナーの大浦イッセイ氏を起用し、装着しやすく、顔にフィットしてズレにくく、装着者の顔がよく見えるデザインを追求した。生産は国内で行い、チタンフレームは眼鏡産業で知られる福井県鯖江市で、フィルム部分はシャープ米子(鳥取県米子市)で製造する。

透過率が高く、反射や曇りを抑えたことで、目の前にフィルムがあることを意識させないような、快適な装着感を実現した

主なターゲットは企業の受付、飲食店、対面接客が必要なサービス業などBtoBが中心で、教育実習現場や選挙運動などで使われることも想定している。SHARP COCORO LIFEの大山貞社長は「口元を見せる必要がある業務でフェースシールドの需要が高まっている。BtoBに限らず、マスクが使いづらい人向けに広く販売したい」と、BtoC向けの販売にも意欲を見せた。

シャープは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年3月に国内で不織布マスクの生産を開始した。液晶ディスプレー工場のクリーンルームで生産しているもので、11月初めの時点で通算1億枚(50枚入りの製品を200万箱)を突破した。20年6月には液晶材料技術を適温蓄冷剤に応用した暑熱対策グローブ「CORE COOLER」をデサントジャパン、ウィンゲートと共同開発して発売。20年7月には複合機トナーの材料技術を応用した、光に反応して消臭・除菌などの効果を発揮するという可視光応答型光触媒スプレーを発売している。健康・医療分野の強化を打ち出しており、今回発売されたフェースシールド類は、それらに続く自社技術を応用したヘルスケアアイテムになる。

シャープの不織布マスクは1箱50枚入りで3278円(税込み)。直販限定のため、全国一律で送料660円が必要だ。一般的な製品より割高だが、マスク不足が落ち着いてきた現在も底堅い需要があるという。フェースシールドも交換用フィルムが10枚程度付属したものが1000円前後から販売されており、シャープの製品は割高になるが、高い品質や国内生産による安心感など、不織布マスクと同様のシャープならではの強みで注目を浴びそうだ。

(ライター 湯浅英夫)

[日経クロストレンド 2020年11月16日の記事を再構成]

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