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オーバースペックなほど機能を搭載した内部

モノリスのデザインは非常にシンプルで、一見しただけでは既存のデイパックと違いが分からない。「デイパックの形は使いやすさやジャケットスタイルにもシャツスタイルにもマッチすることなども含めて、ほぼ完成されている。だからそこから大きく変えたくないと考えた」(中室ディレクター)。

訴求要素は内部にあるという。「バッグは内部にも触れることが多く、縫い目や端材が見えないような仕上げにするなど、見えない部分のディテールも美しく仕上げている。現代はちょうどいい程度の機能よりも、ちょっとオーバースペックが求められていると思うので、日常使いには過剰かなと思うほどの機能を内部に詰め込んでいる」(中室ディレクター)。

バックパックの内部。さまざまな所にポケットがある
全商品に充電コードを通せるホール付きのマグネットポケットがあり、スマートフォンなどのモバイル機器との親和性も重視
ノートPCと紙資料など必要最低限のものが入るミニマムな収納容量で携帯性が高いサコッシュ

また、なぜランドセルで扱い慣れている革ではなく、ナイロンバッグに挑戦したのか。中室ディレクターは、ナイロンバッグは本革ほど思い入れが強い消費者が少なく、「強いて言えばこれ」と消去法で選んでいる人が多いと見ている。「シンプルなデザインを求めているビジネスパーソンは多いが、そういうバッグは現在のビジネスバッグに求められるPCやガジェットをうまく収納する機能がないことが多い。だからシンプルなデザインで内部の収納機能を高めれば、必ず成功すると考えた」(中室ディレクター)。

「濃い」セレクトショップから、口コミで広げていく

発売後は自社ECサイト、オンラインストアでの販売からスタートし、順次取扱店舗を増やしていく予定。将来的には直営店も視野に入れているが、当面はセレクトショップでの販売を重視する。これまでは発信者であるブランドと購入者の間に媒体があり、媒体によって製品の情報が広がるパターンが多かったが、今はセレクトショップのバイヤーやディレクターなどがSNSで大きな影響力を持っているという。そうした人たちに商品の魅力を理解してもらい、お客に直接情報を届けてもらう方法を探っている。

4タイプの中では商品開発の軸であるデイパックが本命と言えるが、より新しさを感じたのは、ショルダーバッグのサコッシュタイプ。ノートPCと紙資料など必要最低限のものが入るミニマムな収納容量だが、肩に斜め掛けしてコートやジャケットの中に使用でき、ショルダーストラップを外せばクラッチバッグやバッグインバッグとしても使用できる使い勝手の良さが重宝されそうだ。

(ライター 桑原恵美子)

[日経クロストレンド 2020年11月19日の記事を再構成]

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