では、どこに置くかですが、食卓のマナーの点から言えば、テーブル上に置いておくのはやめていただきたいと思います。食卓には食事に関係のないものは置かないのが基本ですし、ケース入りとはいえ、人が使ったマスクが食卓にのっているのを気持ちよく思う人はいないであろうと思うことが理由です。食事中はバッグや膝の上、スーツのポケットなどに入れておくといいでしょう。そして、使い終わったマスクケースはほったらかしにせず、自分が使ったものは持ち帰ったほうがお店や周囲から見て気持ちがいいでしょう。

マスクのしまい方に気を使う人も増えてきた(写真はイメージ)=PIXTA

なお、マスクは表側にはウイルスが付着している可能性があります。会食中にケースからマスクを出し入れするとき、表裏に無頓着に扱うと、いい結果が待っているとは思えません。念のためケースに入れる時に裏(顔についていたほう)が内側にくるように二つにたたんで入れることをおすすめしています。

食事中の大声、コロナでなくても…

前回「基本的マナーが前提条件」と言いましたが、マナーというのは、本質的には複数の人が空間や時間を共有しているときに、お互いフェアに扱われ、かつ、不快な思いをしないように、という目的で定まってきたものです。加えてその人が属したいと思うコミュニティーへのパスポート的意味もあります。ささいなことに見えても意味があり、常識としてわきまえておくべきことが多くあります。最近はマナーが軽く扱われ、細部が忘れられているケースがよく見られますが、今のような状況では、そんなことこそ思い出したいものです。

代表的な1つが、パブリックスペースで大声での会話は周囲に失礼だということです。一般に会食に使われるレストランもパブリックスペースの一つです。

複数の人数での会話は、その人たちに聞こえるくらいが適度な音量です。ところが、あたりかまわず大声を出し、大口を開けて笑う人も結構います。これはマナー違反。しかも、現状では危険な行為です。そのような大声や笑いのときには、通常アゴを上に向け、声を正面から上部に向かってあげます。吐く息も強く、それだけ広範囲に飛沫が飛ぶのは容易に想像できます。

気分が盛り上がると、誰もが自覚なくそうなることがあります。もし自分で気が付いたときは、まずアゴを引いて落ち着かせてください。音量や口の開け方も落ち着きますし、印象だって引き締まります。

また、食べ物が口の中にあるときには、しゃべらないのが鉄則中の鉄則です。そんなときには落ち着いて人の話を聞けばいいし、うなずきや眼の表情で会話を進めることもできます。

「会食」という機会は、古くからあらゆる階層に多くの場面で必要とされてきました。食事を人と共にすることには色々な意味があります。「食」というのは人間にとって本能的な行動です。それを一緒に行うことは心理的距離感を縮めることになります。不自由な日々が続いていますが、もし、貴重な会食の機会を持つことができたなら、お互いにできるだけ心地よい時間を共有できるよう少しずつでも気をつけていきましょう。

丸山ゆ利絵
ホテル西洋銀座やアークヒルズクラブなどを経て2010年、経営者などに「ふさわしい存在感」の演出方法を助言するコンサルティング会社、アテインメンツ(大阪市)を設立、代表に就任。15年、ビジネスマンに正しいスーツの着方を指南する「スーツ塾」を開講。 著書に「『一流の存在感』がある人の振る舞いのルール」(日本実業出版社)など。

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