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発光する毛皮をまとうカモノハシ なぜ紫外線で青緑に

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ナショナルジオグラフィック日本版

「地球上で最も奇妙な動物」。そう呼べるいくつかの特徴が、カモノハシにはある。

哺乳類でありながら卵を産み、後ろ足の爪から毒を分泌する。ビーバーのような尾と、カモのようなくちばしを持ち、夜に目を閉じて泳ぎながら、くちばしで獲物を感知する。

この奇妙な特徴リストに、このほど新たな項目が加わった。発光する毛皮だ。

2020年10月15日付で学術誌「Mammalia」に発表された論文によれば、肉眼で見えない波長である紫外線をカモノハシに照射すると、毛皮が青緑の光を放つという。

研究を率いた米ノースランド大学の哺乳類学者であるポーラ・アニッチ氏は「カモノハシの生物蛍光を見て少しあっけにとられました」と振り返る。もともと「ユニークな動物」だからなおさらだ。

今回の発見は生物蛍光に関する科学界の知識を広げるものだ。生物蛍光は考えられていた以上に多くの動物で見られることがわかってきている。

ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(協会が支援する研究者)で、海洋生物の発光を研究するデイビッド・グルーバー氏は「多くの動物で生物蛍光が観察されていますが、これはその新たな実例です。動物にとって意味があるのか、あるとすればどんな意味かを考察するきっかけにもなります」と話す。グルーバー氏は今回の研究に参加していない。

モモンガからカモノハシまで

生物蛍光とは、毛皮などに含まれる物質がある波長の光を吸収し、別の波長の光を放出する現象。放たれる光の色は、緑や赤、オレンジ、青などだ。

この数年間だけで、ウミガメの甲羅、菌類、モモンガの生物蛍光が確認されている。生物蛍光の理由としては、擬態や同種内のコミュニケーションといった仮説が示されているが、はっきりとはわかっていない。

アニッチ氏のチームは19年、モモンガに紫外線を照射すると、腹部の毛皮がピンクの光を放つことを発見した。

この研究のために、アニッチ氏らは米シカゴのフィールド自然史博物館に保管されていたモモンガの毛皮に紫外線を照射した。その際、好奇心から、カモノハシの標本に同じことをしてみたところ、なんとカモノハシも光を放った。

アニッチ氏が研究成果を発表する少し前、別の研究論文で、オーストラリアの路上で命を落としたカモノハシにブラックライトを当てたら発光したという報告があった。ブラックライトは紫外線を放出する電灯だ。

この報告はアニッチ氏の発見の裏付けになり、さらに、死んでから時間がたったカモノハシだけでなく生きたカモノハシもほぼ間違いなく蛍光を発することを示唆していると、オーストラリア、ニューサウスウェールズ大学でカモノハシの研究をするギラッド・ビーノ氏は分析する。「カモノハシにはいつも驚かされます」

何のために光るのか?

カモノハシが光る理由はわかっていない。

アニッチ氏によれば、カモノハシは夜行性で、泳ぐときは目を閉じるため、仲間とコミュニケーションを取るのに重要な役割を果たしている可能性は低いという。

むしろ、紫外線を見ることができる捕食者を避けるのに役立つかもしれないとアニッチ氏は述べている。紫外線を吸収し、青緑の光を放つことが一種の擬態になるということだ。

ビーノ氏もその可能性は十分あると考えている。鳥類の大部分がそうであるように、多くの動物は紫外線を見ることができる。野生のカモノハシをねらう捕食者には、猛禽類(もうきんるい)のほか、マーレーコッドのような大型魚やディンゴなどがいる。

蛍光を発することに特別な機能はない可能性もある。卵を産むといった原始的な特徴と同じように、この特徴を単に祖先から受け継いだだけかもしれない。

アニッチ氏とビーノ氏は、生きたカモノハシを調べて生物蛍光を確認できれば、機能についても詳しくわかるのではないかと口をそろえる。

ビーノ氏は言う。「こうした発見が明らかになった今、フィールドワークに行くときはUVスポットライトを忘れないようにしなければいけませんね」

(文 DOUGLAS MAIN、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2020年11月14日付の記事を再構成]

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