それでも買いたい、検討したいという気持ちがあれば、モデルルームを訪ねてください。ただ、モデルルームではインテリアコーディネートなどに感心してはいけません。あのように暮らしている人はほとんどいません。

まず、図面をもらってよく見てください。

購入を検討している住戸のタイプ図だけではなく、敷地の配置図や各階平面図、立面図などを見ながら、買いたい住戸がどの位置にあるかを確認してください。エントランスから住戸への経路も図面上でめぐりましょう。

そして販売担当者になんでも聞いてみましょう。「こんなことを聞いては失礼かな」などと遠慮は無用。マンションだけではなく、現地周辺を歩き回って疑問に感じたこともメモし、販売担当者に尋ねてください。

営業トークからもわかる「危険」な物件

販売担当者は物件に関することであれば、高度な専門知識を要するような質問以外は何でも答えられて当然です。接客を始めるまでの数週間でその物件に関するあらゆることを頭にたたき込んでいるからです。こちらの質問に答えられなかったり、ごまかしたりする場合は危険信号です。また、次のような営業トークをする販売担当者も危険です。

「これを逃したら同じような物件は二度と出ません」
「このマンションの資産価値が下がることはありません」
「このエリアはますます発展しますから、いまがチャンスです」
「いま決めないと、ほかに買いたい人が何組もいます」

彼らはできるだけ客を迷わせないように時間的に追い込み、焦燥感をあおります。そういうトークがあまりにも頻発する物件は、販売側がよほど焦っている証拠です。そのような物件は中古でも売りにくいはずなので、より慎重になるべきです。

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「一生の買い物」といわれる住まいの購入。誰しも失敗はしたくないでしょう。戸建てやマンションの最新情報のほか、販売業者などの事情にも精通する榊淳司氏が、後悔しない住まいの選び方をアドバイスします。

榊淳司
住宅・不動産ジャーナリスト。榊マンション市場研究所を主宰。新築マンションの広告を企画・制作する会社を創業・経営した後、2009年から住宅関係のジャーナリズム活動を開始。最新の著書は「限界のタワーマンション(集英社新書)」。新聞・雑誌、ネットメディアへ執筆する傍らテレビ・ラジオへの出演も多数。
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