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オンライン会議は運用手順がまだ過渡期にある(写真はイメージ) =PIXTA

オンライン会議は運用手順がまだ過渡期にある(写真はイメージ) =PIXTA

オンライン会議、ビデオミーティングは過渡期のツールだろう。急に普及してしまったせいもあって、使い方がまだこなれない。徐々にバージョンアップされることを前提に、現時点での付き合い方を考えてみたい。

いろいろと定まらない。まず呼び名からして「ウェブ会議」「オンラインミーティング」「テレカン(ファレンス)」「ビデオチャット」など、てんでんばらばらだ。私の周りでは「テレカン」が主流派のようなので、以後はこの言葉で通すが、世の中全般で統一される気配はない。年配者の中には、昔っぽい「テレビ会議」と呼ぶ人もいる。経団連でもどこでもいいから、誰かしかるべく取りまとめてくれないだろうか。こういうささいな「イラッ」が積もり積もって生産性を損ねるものだ。

使うソフトやアプリも「ズーム」だ、「チームズ」だ、「グーグル ミート」だと、まとまりを欠く。大まかな操作性は似通っているものの、細かい部分ではそれぞれに使い勝手が異なるから、すべてを習得するのは、これまた生産性が悪い。勤め先の社内で完結するなら、共通のツールで済むだろうが、昨今は社外のメンバーとのやりとりも増えてきた。外部のフリーランスが加わるプロジェクトチームも少なくない。どうにか交通整理を望みたい。

こういった外側の課題も多いが、実際のミーティングに参加していても、難渋を強いられることが少なくない。個人的な感想をいえば、「リアルの会議が恋しい」。会議室を押さえる必要がなくなり、移動の手間も省けるなど、テレカンのメリットは承知しているつもりだ。しかし、会議の「実」という意味では、かなりのロスが出ているのではないか。つまり、「中身の薄い会議」が増えてはいないか。考えようによっては、もともと会議なんてその程度の存在だったのかもしれないが。

文句のつけどころはいくつもあるが、発言が聞き取りにくい点はかなりストレスに感じる。最大の原因はマスク越しだからだ。オフィスの自席からの参加でも、マスクが外せない事情は理解できる(自宅から参加の場合はマスクを外す人もいる)。ただ、マスク越しで聞き取りやすい発声のできる人はそう多くない。私たちアナウンサーでも、かなり難しい。マスクという強敵に物理的なブロックを受けているのだから、無理もない。何層もの薄地を突破して、相手の耳にクリアな声を届けるのは至難の業だ。

ボイストレーニングを受けたことのある人はかなりの少数派だろう。合唱や詩吟などの趣味を通じてでも、発声を学ぶ機会はありそうだが、世のビジネスパーソンに占める割合はそう高くないのではないか。つまり、これまではほとんどの人が「自己流」で声を出してきたわけだ。声出しを邪魔するバリアーのないリアル会議では、割と貧弱な声でもどうにか思いを伝えられたかもしれない。だが、「マスク越し×画面越し」になると、格段に伝達力は落ちる。では、どうすれば届きやすい声になるのか。

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