売れ筋は2万~3万円台 プリンター複合機の選び方
プリンターの新しい常識(上)
2020年は自宅での仕事を余儀なくされ、需要が急増したプリンター複合機。一時期はほぼ売り切れになるほどの状況だった。現在は少し落ち着き、9月以降には各社の新モデルが続々登場している。年末に向けて買い替えを検討している人も多いだろう。そこで修理対応期間が終了し、買い替え時期に差しかかった6~7年前モデルと最新機で、各メーカーのプリンター複合機の進化点を比較してみた(図1)。
1つめの進化点は本体サイズ。図2の通り、各メーカーともこの6~7年内にフルモデルチェンジし、本体サイズを小型化。重さも軽くなった。特にキヤノンはひと回りほどサイズダウンし、設置スペースも狭くなっている。
2つめはモニターサイズ(図3)。こちらはキヤノンだけの進化点になるが、モニターサイズが3.5型から4.3型ワイドへと大型化。タッチ操作もずいぶんとスムーズになっている。
3つめはインク。色数は旧型と同じだが、インク自体は進化しており、色域などが広がっている(図4)。一方でインターフェースは縮小傾向(図5)。以前は有線LAN端子付きが当たり前だったが、キヤノンとセイコーエプソンはWi-Fiのみに。利用できるメモリーカードもSDカードだけになっている。
このほか細かい点になるが、動作音をさらに抑えられるようになったり、排紙トレイの開閉がどちらも自動で可能になったり、さらに用紙サイズを自動検知できたりなど、使い勝手が向上(図6、図7)。スマホ用のアプリも刷新され、LINEのトーク画面から直接印刷できるといった機能なども追加されている。
このように長い目で見ると、大きな進化を遂げているプリンター複合機。実際に購入する場合は、「A3用紙に印刷したい」とか「印刷コストを抑えたい」といった点もカギとなる。
プリンター複合機の購入時はここもチェック
ビジネス文書なら1万円前後の格安機でも問題なし。ただし、写真は上位機でないと印刷速度が遅くてイライラする可能性も
●印刷とスキャンはA4用紙までか、A3用紙も必要か
現行のプリンター複合機はA4対応が中心。A3までの印刷とスキャン対応したモデルは限られる
●文書などを大量に印刷するのでインクのコストを抑えたい
大容量インク対応の製品を検討。一般的なカードリッジ型より、印刷コストを4分の1程度に抑えられる
●複数枚の文書を素早く取り込みたい
ビジネス向けの複合機を含む、ADF付きのモデルも検討する
上記のような観点も頭に入れながら、明日からのメーカー別、最新モデル解説も読んでほしい。
(ライター 原如宏)
[日経PC21 2021年1月号掲載記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。