人事評価で上位5%の社員の行動とは AI使い詳細分析八重洲ブックセンター本店

1階・新刊ビジネス書コーナーの面陳列棚に展示する(八重洲ブックセンター本店)
1階・新刊ビジネス書コーナーの面陳列棚に展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。このところ東京駅周辺の人出が回復し、ビジネス書の売り上げは9割方戻っていたが、今週に入ると第3波への警戒から再び人出が減り始めている様子。年末商戦に向け、不安が広がる。そんな中、書店員が注目するのは、人工知能(AI)による分析でできる社員の行動をあぶり出した働き方の分析本だった。

働き方改革コンサル通じ調査

その本は越川慎司『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。著者の越川氏は日本マイクロソフトで執行役員を務めた後、2017年に働き方改革コンサルティングを手がけるクロスリバーを起業した経営者。すでに605社に対して働き方改革推進を支援してきたという。その過程で「人事評価『上位5%』の社員は、どのような行動・働き方をしているか」を調査し、その成果にAIと専門家による分析を加えてまとめたのが本書だ。

調査に協力したクライアント企業は25社。「5%社員」9千人とそうではない社員9千人の合わせて1万8千人を対象に、定点カメラやICレコーダー、対面ヒアリングによる行動データ、メール・チャットのデータまでを収集、「5%社員」の共通点やそうではない社員との違いを抽出した。

序章では、5%社員の特徴をパーセンテージの高かった順に5つの原則にまとめる。原則1は、「5%社員」の98%が「目的」のことだけ考える。アンケートやヒアリングで高い頻度で出てくる名詞は「結果」や「目標」、多用される動詞は「達成する」「成し遂げる」「認められる」だという。目的志向だから無駄に大量の資料をつくることもないし、時間も大切にし、目標に最短距離で到達しようとする。

以下4つの原則は(2)「弱み」を見せる(3)「挑戦」を「実験」ととらえる(4)「意識変革」はしない(5)常に「ギャップ」から考える――で、おごらず自己開示することでともに仕事をする人の信頼を勝ち得、トライアルを続けることで経験知を高め、意識を変えることより行動を変えることを重視し、目標とのギャップを意識して逆算から思考するという「できる社員」像が浮かび上がる。

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