
ジャケットを着ないのが許されるリモート会議の場であっても、意識の高い人なら襟付きのシャツを着るはずだ。新時代のドレスにおいて、“シャツ力”の重要性はいっそう増している。
タイドアップでもノータイでもシャツの印象がモノを言う
シャツは下着とはよく言われるが、言い方を変えれば、ドレスを構成するアイテムの中で最も身体に近いものがシャツだ。シャツは装いのベースであり、ここをちゃんと装わないと、スーツの完璧なフィッティングも、タイの美しいノットも台無しになってしまう。正しいサイジングや、生地によるフォーマル度の違いといった基本を、しっかり押さえておきたい。
かつ、タイドアップ不要のビジネスシーンが増えた昨今は、ノータイでいかに洒脱に見せるか? という新機軸も重要。かしこまった席にせよリモート会議の場にせよ、“シャツ力”の向上が新時代のドレスを装うカギとなるのだ。
Question. 正統な場に趣く時、どちらが好ましい?
いま最もスタンダードな襟型は、襟開きが中庸のセミワイド(左)。普遍的なラペル幅のスーツやタイノットと相性がよく、かっちりした印象を演出できる。ボタンダウン(右)は寛いだ趣が魅力ゆえ、じつはかしこまった場では避けるべきものなのだ。

基礎知識を学ぼう
■フィット編
袖はカフを留めたときに手首に収まる長さ
袖にたまりができすぎるのもだらしないが、短すぎてもマヌケに見える。カフのボタンを留めると軽くクッションが付き、袖口が手首位置で止まる、写真のバランスがベストだ。

ネックは指一本が良いサイズの目安
窮屈なのがイヤだからと首周りの緩いシャツを選ぶと、文字通り締まりがなく映ってしまう。シャツのネックは、ボタンを留めて指一本が無理なく入るほどがジャストの目安と覚えよう。

■素材編
生地の目の細かさがフォーマル度と比例する
同じ白地でも、シャツ生地は織りによってフォーマル度が異なる。最もフォーマルなのは、フラットな平織りのブロード。細かな織り感のロイヤルオックスフォードやツイルがこれに続く。織りの粗いオックスフォードの格はカジュアルなので、着用する場に注意を。

シャツの襟型が表す胸元の印象を心得よう


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