藤士 磨音さん、この1万円は老後のお金のための積み立てにまわさずに済むだけで、使ってしまってもいいわけではありませんよ! これまで話に出てきた結婚資金や老後資金以外にも、磨音さんが人生で必要となるお金には他にもたくさんあります。磨音さんが「こんなことにお金を使いたい! こんなことしたい!」というもので、まとまったお金がかかりそうなものはありませんか?

磨音 たくさんあります! けど、すぐにと言われると……。他の人の例ではどんなものがありますか?

藤士 磨音さんと同年代の女性では、自分のマンションを買いたいという人もいますし、アーリーリタイアして海のそばで自分のペースでボランティアしながら暮らしたいという人、雑貨店を開きたいという人もいます。

磨音 マンション、アーリーリタイア、どっちも憧れます! 自分でもいろいろしたいことあったなって、ワクワクしてきました。

藤士 大切なのは、お金をただ増やしたいと漫然と考えるのではなく、目的に応じた運用期間を意識することです。「いつでも使えるようにしておきたいお金」は、投資のような価格が常に変動する運用は向きません。3年後に留学したいといった短期の目標があるお金もそうです。一方、家の購入や開業などは期間によっては投資を取り入れられる場合もあります。つまり、中長期の運用期間がある目的であれば、むしろ投資で腰をすえて利回りアップを目指していきたいところです。

磨音 目的によっていくつか持っておいて使い分けるということですね。靴や洋服を行き先や目的によって、使いわけるみたいに。まずは、自分はどんなことにお金が必要になるのか、どんなことに使いたいのかを考える必要がありますね。

藤士 では、先ほど利回りに触れましたので、次回は利回りを得るために意識しておきたいことをお話ししていきましょう。

磨音 お願いします! ところで、里中さんの男女の出会いと別れの話はどうなりました?

藤士 それはまたおいおい……。(別れの話までしたかな?)

■藤士のワンポイントアドバイス
30年後に1000万円を準備するのに毎年積み立てる必要があるお金はいくらか? ぜひみなさんも「自分の場合は?」を考えてみてください。次の表の「係数」を使って簡単に求められます。

使い方は簡単です。表のうち、運用期間の「年数」と「利回り」が交差する箇所にある数字(係数)に、目標金額を掛け合わせるだけです。例えば目標額300万円を20年で準備したい場合、利回り3%の結果を知りたいならば、20年と3%の交差する31.01に300(万円)を掛ければ求められます。31.01×300=9303円です。つまり、利回り3%で運用しながら、毎月9303円ずつ積み立てていけば、20年後に目標の300万円を準備できるわけです。

「老後のためにも、若いときから投資・資産運用を」とよくいわれますが、初めての人にとってはわからないことだらけ。様々な疑問について会話形式でやさしく解説します。

■中里邦宏
ファイナンシャルプランナー(CFP)、マネーディアセオリー株式会社取締役副社長。上場メーカーで設計担当後2004年にFP事務所を開業、16年に法人設立。顧客が納得するまでシミュレーションを繰り返すライフプラン相談を中心に、資産運用教育、ライフプランツールのプランニング、ロジック提供なども手がける。日本証券アナリスト協会検定会員、1級FP技能士、DCプランナー1級。