「空飛ぶバイク」開発の経営者 筑駒で出合う自由奔放片野大輔・A.L.I.テクノロジーズ社長(上)

ホバーバイクのモックアップを前に話す片野大輔・A.L.I.テクノロジーズ社長
ホバーバイクのモックアップを前に話す片野大輔・A.L.I.テクノロジーズ社長

「空飛ぶバイク」と呼ばれるホバーバイクの開発に取り組むA.L.I.テクノロジーズ(東京・港)。社長の片野大輔氏は全国トップクラスの中高一貫の進学校、筑波大学付属駒場中学・高校(東京・世田谷)の出身だ。ホバーバイクのほかにドローン、AI(人工頭脳)など最先端の技術を活用した革新的な製品やサービスの開発に次々挑む。片野氏は筑駒でどんな体験をし、何を学んだのか。

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地上数メートルほど浮上して走行する世界初の実用型ホバーバイクの販売を目指して開発を進める。

「面白そうだね。本当にバイクが空を飛ぶの?」。2019年末、筑駒時代の同級生約30人と忘年会をしましたが、同年10月に東京モーターショーに出展したホバーバイクの話題で盛り上がりました。筑駒OBはあまり他人の私事に関心を示しませんが、テクノロジーなど最新技術の話は大好きです。

試験走行中のA.L.I.のホバーバイク

法規制もあり、公道を走行することはできませんが、水陸両用で、最高時速は約100キロ、まず周囲を砂漠や海に囲まれた中東のドバイで21年をメドに販売を始める予定です。

16年に投資家としてこのプロジェクトに参加する前は「まるでSF映画のような荒唐無稽の計画」と思ったのですが、数々のベンチャー企業の支援を手掛けるなかで、ハードルの高い最先端の製造分野に飛び込んでみたくなりました。航空宇宙に関する国内トップの技術陣をそろえ、資金や安全性、法規制など各課題を一つ一つ解決し、夢に向かって大きく前進しているところです。

私は東京大学工学部を卒業後に戦略コンサルタントとしてキャリアを積み重ね、現在の会社の経営者をやっていますが、その基礎となる知識や知恵、そして人脈は筑駒時代に培われたと思っています。

筑駒は真面目な優等生の集まる進学校というよりも、自由奔放な学校だった。

「欠席者が目立つなあ」。筑駒で現代文を教えてくれた先生の意気消沈した顔は今も忘れられません。この先生の授業をボイコットしている生徒はクラスの半数近くに上り、残りの出席者も多くの生徒が寝ていることもありました。ほぼ「学級崩壊」の状態です。でも生徒側には先生をいじめてやろうとかそんな悪気はないのです。