2020/11/30
「答えは現場にしかないとアナウンサー時代に学んだ」と話す菊間さん(写真右)

「ネタ帳」持ち歩いた就活時代

――就活ではどんなことを意識しましたか?

明確に言えるのは、準備の大切さです。私は小学校6年生からアナウンサーになりたい!と思っていたので、準備は早かったですね。先のアルバイトもアナウンサーになるためですし。人と違う準備で言えば、フリートークの練習です。アナウンサー試験には、当時は必ず1分程度のフリートークがありましたので、どんなお題を出されても、打ち返せるように(笑)、常にネタ帳を持ち歩き、何かあればメモしていました。

――大学生へのアドバイスをお願いします。

自らの目を養ってください。スマホから入手できる情報のみを頼りにするのではなく、自ら行動して、自ら判断することを習慣化させてください。知ったかぶりは、あなたの成長のブレーキです。知らないことは恥ずかしいことじゃない。大学生だから飛び込める現場があります。

そして、社会のルールは誰からか教わるものだけではなく、実践的に学んでいくものでもあるということを知っておいてください。挫折、失敗も貴重な経験です。社会に出たときに経験する厳しさに、少しばかりの免疫をつけておきましょう。

実践していく中で大事なことは、何事も自分軸で動くということです。自分を起点にして、物事を捉える。会社に過度の期待を抱き、依存してはいけません。私は「安定」という言葉が嫌いなんです。先が見えている人生は、つまらないじゃないですか。私はどんな環境でも、楽しみながら生きていますよ。

◇  ◇  ◇

実際に、行動されているからこその具体的なアドバイスをいただきました。できることを自らまず、一つでいいのでやってみましょう。大学生がいない世界へと一歩踏み出してみる。社会人が集まるオンラインイベントでもいいでしょう。やらないで悩むことは、一番もったいない。一つ一つ経験しながらキャパシティーを広げていきましょう。

菊間千乃さん
東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。1995年、フジテレビ入社。バラエティーや情報・スポーツなど数多くの番組を担当。2005年、大宮法科大学院大学に入学。07年、司法試験の勉強に専念するため、フジテレビを退社。09年。大宮法科大学院大学修了。10年司法試験合格、司法修習を経て弁護士となる。11年、弁護士法人松尾綜合法律事務所に入所。19年、早稲田大学大学院法学研究科先端法学専攻知的財産法LL.M.コース修了。紛争解決、一般企業法務、コーポレートガバナンスなどの分野を中心に幅広く手がけている。
田中研之輔さん
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。日本学術振興会特別研究員(SPD:東京大学) 2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を19社歴任。著書25冊。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。最新作『ビジトレ―ミドルシニアのキャリア開発』(金子書房)

「就活」の記事一覧はこちら