今年の梅雨の楽しみ方 トマト栽培でなく、あれ買おう


また朝から雨かな。蒸し暑い空気が寝室にたまっている。ベッドを出て窓を開けると滴が手にかかった。

急いでベランダに出てリーフレタスのプランターを窓側に押した。葉がだいぶぬれている。ごめんね、雨が苦手なのに。

1カ月前、土を買い忘れるという痛恨のミスから始まったベランダ菜園だが、苗一種、育苗ポッド九穴の小さな畑は、きょうまでに立派なリーフレタス八株にまで成長し、私一人の食卓に家族の一員のようにいつもいてくれるようになった。食べるのに家族というのも変だが、野菜と人の関係なので。

だからその分、間引きした芽や小さな本葉も残さず食べてきた。豚の角煮の上に散らしたり、生姜(しょうが)焼きの周りに置いたりと、量的な迫力が無い分、繊細な彩りを添えてくれる。小指の先程の大きさの若い本葉でも、一丁前にフリルをつけてレタスの形と味を備えているのが、種(しゅ)のプライドのようにも思えて、箸でつまむたびに見入ってしまう。

収穫は根こそぎにせず、一枚一枚根元から切り取っている。リーフレタスは次から次へと新しい葉が生えてくるので、こうすると数カ月は食べられるのだ。

ベランダ菜園をするときは、避難経路を邪魔しないように、ベランダの隅に収まるくらいの規模で良いと思っている。その点、リーフレタスは葉物だが長く楽しめるので、小規模でもイケる野菜なのだ。

雨を見ているうちに、トマトのことを思い出した。例年通り畑で栽培していたなら、梅雨前にやっておかなければならない大事な作業があったなと。雨よけをかけるのだ。