新職場は「複業」でお試し なめらか転職で変わる雇用ヘアーズ社長 西村創一朗氏

ヘアーズ社長 西村創一朗氏

次代を担う「旗手」は何を感じ、何を考えているのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、「キーオピニオンリーダー」が執筆したビジネスパーソンにも役立つ記事を紹介します。今回は、「複業研究家」としても活動しているHARES(ヘアーズ、東京都八王子市)の西村創一朗社長に、これからの複業と転職について語ってもらいます。

10月、なぜか人材系サービス各社が一斉に副業関連の調査をリリースしています。5年前の2015年は約9割の企業が副業禁止でした。それがたった5年で約3倍、ほぼ半数の企業が副業を容認しています。私は「2020年代は副業前提社会」になると予想はしていましたが、今年はじめに起きた新型コロナウイルスの感染拡大により、全日本空輸(ANA)が副業を拡大するなど「副業前提社会」へのシフトがより一層加速したように思います。では「副業前提社会」にシフトすることで、一体何がどのように変わるのでしょうか。

日本で雇用の流動化が進まない本当の理由

日本は諸外国と比較して、雇用の流動性が異様に低い国です。「副業前提社会」がもたらす最大のインパクトは「日本的な雇用の流動化」だと私は考えています。

45~54歳の男性労働者のうち、約半数が25歳未満で働き始めた職場に現在も勤務しています。約半数の方が25歳未満=新卒で入社した会社に20年以上働き続けている、というのは「新卒一括採用×終身雇用」という日本ならではの文化でしょう。

もちろん「雇用の流動性が低いからダメ」「雇用の流動性が高いから良い」ということではありません。逆に、終身雇用をはじめとする日本的雇用システムが日本の高度経済成長を支えた、という説があるくらいです。

しかし、現在では弊害が大きいのも事実です。新たな産業への人材シフトが遅れたり、必要以上に会社に依存するメンタリティーが形成されたりすることは、その最たるものと言えるでしょう。

一方で、雇用の流動化にも、デメリットはあります。極端に言えば、「企業の都合でいつでもクビにできる」というように、解雇規制を緩和すれば雇用の流動性は高まるわけですが、短期的にはデメリットが大きいです。

定年まで働くことを前提に入社し、これまで身を粉にして働いてきた従業員がいきなり整理解雇される、という「梯子(はしご)を外される」ようなことが同時多発的にいろいろな企業で起きてしまうと、社会全体が不安に陥りかねません。

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