瞬時に決めて、攻めと守りを同時に行う

――組織運営の参考にしていることはありますか。

「高校時代に始めたサッカーです。親元を離れて寮生活だったこともあって、アイルランド出身の英語教師で、サッカー部のコーチだった方に大きな影響を受けました。中学時代は野球部で、高校からサッカーを始めたので技術的には下手でした。それでも、いいところを見つけて、すごくほめてくれるのです。合宿で試合に出た時、ボールが来るのが怖くて声を出せずにいたのですが、コーチから『声、声』と励まされて、ようやく声が出せるようになって自分らしいプレーができました。それを試合後に、とてもほめてくれるのです」

熊本マリスト学園高校時代に打ち込んだサッカーが経営にも生きているという。コーチだったマグラー神父(左)と

「サッカーは走る、止める、蹴るといった、最低限の技術は必要です。でも、パーフェクトな人間ばかりを集めても、うまくいかないのがサッカーです。それぞれがパーフェクトでなくてもいい、11人が集まって一つのチームを組み立てるスポーツなのです。私は野球も好きですが、経営に取り入れているのはサッカーの考え方です。どちらもチームワークは必要ですが、野球は監督のサインなど、指導者の指示に従って組み立てる部分が大きいと感じます。サッカーはゴールにボールを入れるために、11人がどう動くかを瞬時に決めて、攻めと守りを同時に行わないといけない。これは会社経営にもつながります」

「例えば、店舗で言えばゴールはお客様の満足です。店を出るとき、『おいしかったよ。また来るね』と言ってもらえればゴールなんです。接客担当だけでなく、カウンターの受付や調理担当者など、スタッフ全員が協力して店舗を動かしているのです。もし、子供がオレンジジュースをこぼしたときに、近くにいるスタッフが子供の心配をしつつ、ぱっと片付ける。それを見て、カウンターのスタッフが替えのジュースを用意する。こうしたことは、いちいちオーナーがやれとは指示しません。スタッフが自分で考えて瞬時に行動できる、それが大切だと思っています」

(宮嶋梓帆)

(下)会議では常に手を挙げ意見、今も起業家精神 モス社長>>

中村栄輔
1958年福岡県生まれ。82年中央大法卒、88年モスフードサービス入社。法務部長、社長室長、国内のモスバーガー事業の営業本部長などを経て14年常務、16年から現職。

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