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メガハウス藤島勇太氏はルービックキューブの新商品開発に知恵を絞る毎日だ

メガハウス藤島勇太氏はルービックキューブの新商品開発に知恵を絞る毎日だ

1980年の発売から40周年を迎えた立体パズルの「ルービックキューブ」がファンの裾野を広げている。電源が不要なアナログ玩具だから、いつでもどこでも遊べるうえ、家ごもり中に1人で楽しめる点が見直された。寿命の短い商品が少なくないおもちゃ業界で40年のロングセラーが続く裏には、ファンを飽きさせない商品開発やイメージを磨くブランド戦略があった。

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シリーズ累計出荷数が1400万個を突破した。単純計算では日本国民の10人に1人が持っているほどの普及度だ。異例とも映る浸透の理由を、メガハウスのトイ事業部でルービックキューブの商品企画を担当する藤島勇太氏は「説明書が不要なとっつきやすさが大きい。でも、簡単すぎないから、飽きにくい」と説明する。

玩具の人気ははやりすたりが激しい。たとえば、2017年に流行した、指でクルクル回す「ハンドスピナー」は一世を風靡したが、3年をへた今は勢いを失っている。しかし、ルービックキューブは過去に何度もリバイバルを果たし、今年もコロナ禍を背景に、気分転換や退屈しのぎの需要を受け止めた。「幼いころに遊んだ記憶を持つ大人のカムバックが多い。子供、孫との接点にもなっている」(藤島氏)

あまり知られていないが、複雑な経緯をたどった商品だ。もともとはツクダオリジナル(当時)が1980年に発売した。しかし、母体となった玩具卸のツクダが2003年に民事再生法の適用を東京地裁に申請。ツクダオリジナルはバンダイの傘下に入った。その後、ルービックキューブの販売はパルボックスをへて、バンダイナムコグループのメガハウスに引き継がれた。メガハウスは同じくツクダオリジナルのヒット商品だった「オセロ」の販売も手掛けている。

中国をはじめとする各地で類似品が製造されている。しかし、メガハウスは国内での商標権を持つので、類似商品は「ルービックキューブ」と名乗ることはできない。耐久性やデザイン面で見劣りすることのある類似商品とは、「正当なオリジナルならではの品質を押し出して、ブランドイメージを保っていく」(藤島氏)。

たとえば、立方体の基本タイプを完成させて、同社に申請すると、公式の認定証がもらえるのも本家ならではのサービス。すべての認定証にシリアルナンバー(通し番号)も付いている。

多彩な新商品の投入は、ブランドイメージを維持するのと同時に、ファンを飽きさせない効果を発揮してきた。40周年の節目には、相次いで記念商品を投入。「40周年記念メタリックルービックキューブ」はシリーズで初の6色メタリック仕様だ。台座に乗せてやれば、インテリアとしても見栄えがする。

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