同僚から口をきかないと言われ困った著述家、湯山玲子さん

著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」「女ひとり寿司」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。
著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」「女ひとり寿司」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。

同僚から「嫌いだから口をきかない」と言われました。「そんなことやめて」と頼んでも「今までそうやって生きてきたから変えられない」と、らちがあきません。仕事上コミュニケーションが必要なので、困っています。(東京都・40代・男性)

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高度資本主義社会では、子供時代を引き延ばすことができます。「人間50年、下天の内をくらぶれば」と「敦盛」の一節を謡(うた)い舞った織田信長が現代ニッポンにタイムスリップし、アイドルの追っかけに血道を上げ、マンガ喫茶に通う(私だ!)現代日本の中高年を見たら、ひっくり返って腰を抜かすでしょうね。

とはいえ、いくら子供っぽくなったといっても「仕事など社会生活上の人間関係ならば、嫌いな人とでもコミュニケーションを取らなくてはならない」という我慢は体得しています。しかし、同僚はそうではない。かつ、相談者氏の申し入れに対し、「今までそう生きてきたから(その態度を)変えられない」と答えるに至っては驚くべき幼稚さです。私の感覚なら小学校低学年ぐらいの精神年齢です。

しかし、問題はそんな「困ったチャン」に対して、傷ついている相談者の方。日本人が得意とする心理攻撃にシカトというものがあります。イジメで取りざたされるそれは、非常に殺傷能力が高い。シカトは、された方がその理由を詮索するうちに自分自身を追い詰めてしまう。これは心に打撃を与える暴力です。

「相手にしない」というアドバイスもあると思いますが、そうやっているうちに相談者氏の方が精神的に参ってしまう可能性も高い。

なので、相談者氏はこの件をはっきりと攻撃と受け取ってください。そして目標を「同僚との雪解け」から、同僚の配置転換に定めましょう。具体的には、相談者氏は周囲の目があるところで話しかける。当然、同僚は無視してくるわけで、そのとき「困ったな」という態度を示す。

周囲は必ず察してきますから、尋ねられたら事実を話すのみです。要するに味方を職場で増やし、同僚の他の仕事上のトラブル(こういうタイプは必ず何かやらかしています)を調べて裏を固める。

仕事上のコミュニケーションはメールになるはずで、やりとりは対面の言葉よりも攻撃的になりますから、同僚は痕跡を残すでしょう。データを集めて、頃合いを見て、上司に相談でしょうね。

同僚の行為はイジメにあたり、会社には労働者が快適に働けるよう職場を管理する義務がある、ということを同時に伝えてみるのもおススメします。

[NIKKEIプラス1 2020年11月14日付]


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