転職先に価値をもたらせるか

「なるほど、今の会社の将来性に不安がある、というのは確かに理解できる」

「うちの会社を知るほど目が輝くのを見ていると、うちの組織作りが褒められているようでうれしい」

「たしかに彼はうちに来た方が幸せになるだろう」

「で、うちはこの人を雇ったらどんな得をするんだろう?」

熱意や好意は、面接官となる人たち、とりわけ経営者に対して良い印象を与えます。しかしコロナショックの中で業績を伸ばしている会社の中には、単にコロナが順風になった会社だけでなく、厳しい環境変化をシビアに見据えるか、あるいはあらかじめ何らかの手を打っていた先見性のある会社も含まれています。

そういう会社の経営者は、単純な好意にほだされたりはしません。

あくまでも冷静に、今目の前にいる求職者を品定めします。

そしてその視点は、この人を雇ったらどんな活躍をしてくれるだろう。その結果、会社の業績にどんな良い影響があるだろう。成果はどれくらいの期間にどれくらい生まれるだろう、といった経営の視点からのものに他なりません。

そんな経営者に対し熱意と好意だけを示しても逆効果です。熱意や好意ならむしろ新卒を雇った方がまだましだ、と思う場合すらあるのです。

中途での転職を目指すのなら、コロナショックのタイミングであるかどうかにかかわらず、転職先にどのような価値を提供できるかを示せなくてはいけません。

売り手市場から買い手市場に大きく風向きが変わった今、価値を求められる度合いは今後さらに高まってゆくのですから。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

※平康慶浩氏の書き下ろし新刊「給与クライシス」(日経プレミアシリーズ)が発売されました。ジョブ型雇用にテレワークの普及……会社員の働き方と雇用や給与の在り方が大きく変わるいま、どうすれば自分のキャリアと生活を保っていけるのか。人事のプロが考えます。

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