オンライン専用ライブに挑戦したサンミュージックの西園みすずさん

お笑い以上にコロナの影響を受けたのがアイドル業界。ライブ会場では観客が一緒に歌い踊るため、汗や飛沫が飛び散る。終了後の握手会や即席写真の撮影会など、接触型ビジネスの最たるものだ。

老舗のサンミュージック(東京・新宿)は、インターネット配信だけを目的としたライブ「サンミュージック・ライブ・スタジオ」を始めた。本社の空き会議室をスタジオに改装、生バンドを入れ、歌をライブ配信する。第1回に登場したのはアイドルグループ、さんみゅ~のリーダーだった西園みすずさんだ。

9月26日土曜日の夜8時、100人近くが視聴料3500円のライブを鑑賞した。自宅でくつろぎながら楽しんでほしいと、西園さんはテンポのゆったりしたバラード曲を多く選んだ。企画立案の同社制作ディレクター、望月一人さんは「コロナで広がったファンとアイドルの心の距離を埋めたい」と話す。

オンライン初出演の西園さんの感想は「目の前にカメラがあるだけ。声が届いているか心配だったが、曲の合間に書き込まれる応援メッセージをみて安心した」。

SNS配信を活用しファンとの距離を縮めるアイドル木下綾菜さん

さんみゅ~に所属していたアイドル、木下綾菜さんは、SNSをフル活用し、ファンとの距離を縮めている。7月の誕生日、昨年はバースデーライブで盛り上がったが今年は無理。代案は「オンラインデート旅」だった。SNSのSHOWROOMの機能を活用し、都内・浅草を浴衣姿で散歩する木下さんの映像をライブ配信した。

視聴するファンとSNSで語り合い、店を教えてもらって足を運んでみたり、散策中に買った土産を抽選で贈ったりした。木下さんは「チェキチャ」というSNS機能も活用している。3分間話をして、サイン入りのチェキ(即席写真)をもらえるSNS上のイベントだ。週末に開催し、累計参加者は100人以上。

人気デュオのゆずは9月27日から日曜日ごとに5週にわたりオンラインライブを配信した。曲や構成を毎回変えたため、連続視聴するファンも多く、延べ視聴者数は80万人を超えた。コロナがエンタメビジネスに打撃となったのは間違いないが、同時に新しいビジネスも多く生んでいるようだ。

(編集委員 鈴木亮)

[2020年11月14日付日本経済新聞夕刊]

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