オシッコ我慢できず、尿漏れ… 過活動膀胱に新治療法

日経Gooday

急にオシッコがしたくなり、がまんできないほどになることはありませんか? 写真はイメージ=(C)ocskaymark-123RF
急にオシッコがしたくなり、がまんできないほどになることはありませんか? 写真はイメージ=(C)ocskaymark-123RF
日経Gooday(グッデイ)

男女問わず、40代以上の日本人の8人に1人に見られる過活動膀胱(ぼうこう)。急にがまんできないような尿意を感じたり、そのためにオシッコをもらしたり…。トイレが近いことも多く、「外出や旅行も気軽に楽しめない」「仕事中に何度もトイレに行きづらくて困る」などと悩んでいる人も多い病気だ。

その最新治療である「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法(ボツリヌス療法)」が2020年4月から保険適用になった。既存の薬や治療法では効果がなかった人も症状が改善する可能性がある。ボツリヌス療法とはどんなもので、どんな患者に向いているかなどについて泌尿器科医に聞いた。

がまんできない尿意をもたらす病気

年齢とともにオシッコ問題は増えてくる。トイレが近くなったり(昼間頻尿)、夜オシッコで起きてしまう(夜間頻尿)などは多くの人が経験するが、「急にオシッコがしたくなり、がまんできないほどになる」(尿意切迫感)、「尿意をがまんしきれずにオシッコをもらしてしまう」(切迫性尿失禁)といった症状で日常生活に支障をきたすようになったら「過活動膀胱(OAB)」と診断される。

亀田総合病院(千葉県鴨川市)ウロギネ・女性排尿機能センターの野村昌良センター長は、「過活動膀胱は、なんらかの原因で尿をためる臓器である膀胱のコントロールに問題が生じ、少量の尿でも膀胱が過度に収縮してしまう病気。このとき急に強い尿意を感じたり、がまんできずに失禁してしまうという症状をもたらします」と解説する。

命にかかわる病気ではないが、症状が重くなると「2時間とオシッコをがまんできず映画館やイベントにも行けない」「尿もれが心配で買い物にも出られない」と生活の質を大きく低下させるやっかいな病気でもある。

過活動膀胱とは

過活動膀胱は、尿をためる臓器である膀胱のコントロールに問題が生じ、少量の尿でも膀胱が過度に収縮してしまう病気だ。亀田総合病院ホームページの図を基に作成

男女ともに40代以上で増え始めるが、女性にはよりつらい病気

この病気の見極め(診断)で重要なのは尿意切迫感だ。泌尿器科医などが使う「過活動膀胱症状質問票」(OABSS)では、尿意切迫感が週に1回以上あり、かつ頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁のいずれかの症状がある場合は、過活動膀胱を疑うという。国内で行われた疫学調査では、過活動膀胱の症状のある人は年齢とともに増え続け、40代以降の日本人の8人に1人がこの病気で日常生活になんらかの支障をきたしていることが分かった。

過活動膀胱症状質問票

質問3の点数が2点以上で、全質問の合計点数が3点以上だと「過活動膀胱」と診断される。(出典:過活動膀胱診療ガイドライン)

過活動膀胱の年代別有病率

本間之夫ほか:日本排尿機能学会誌, 2003;14(2):266-277.を基に作成

グラフを見ると過活動膀胱の有病率はどの年代も男性の方が多いが、医療機関に相談する人は女性の方が圧倒的に多いという。その理由について野村センター長は「女性の方が日常生活でトイレの問題を抱えやすいからだと考えられる」と話す。

例えば、ゴルフを楽しむときトイレ付きの休憩所は何ホールか回らないとたどり着けない。男性の場合、どうしてもがまんができないときは「草むらでちょっと」となる人もいるようだが、女性はそうはいかない。また、駅や高速道路のパーキングエリアなどでも女性は個室の数が限られるので大変な思いをすることになる。そうしたことが女性の受診の多さにつながっていると推測される。

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