北陸・九州、地元しょうゆ奮闘

北陸と九州の濃口しょうゆの部門では、しょうゆ最大手キッコーマンが全国展開する商品を退け、地元メーカーの商品が1位となった。いずれも地域の消費者に長年愛されてきた人気商品だ。

直源醤油(金沢市)の「直っぺしょうゆ 濃口」

直源醤油(金沢市)の「直っぺしょうゆ 濃口」は、ほどよい甘さとうま味が特徴で、仕込み水には日本三名山の霊峰白山の伏流水を使用している。湿潤な気候の金沢で約半年熟成させている。日常の様々な料理を同商品でまかなう家庭も多く、石川県の主婦を中心に高い支持を得ているという。

日経POS情報によると「直っぺしょうゆ」の来店客千人当たり金額は、年間を通じて北陸で首位を維持。全国首位の「キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」を抑え、単品で唯一、10%を超えるシェアを獲得する。

九州1位の富士甚醤油(大分県臼杵市)「うまくち」も、2位の「キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ 濃口」の追い上げをかわして1位を獲得した。

長年売れ続けているという混合しょうゆ。全国のしょうゆ生産量の約8割は本醸造しょうゆが占めるが、九州では混合しょうゆが人気だ。本醸造タイプと比較するとしょうゆ本来の風味は弱くなるものの、まろやかな味わいの料理に仕上がるという。

新進(東京・千代田)の「味梅」

和歌山県に本社をもつメーカーが各地で強さを見せる梅干し部門では、関東外郭では新進(東京・千代田)の「味梅」が、1位となっている。

同社の商品は、創業の地である北関東で人気がある。本社を東京に移転してからも、工場は群馬県で操業を続けていることから、北関東を中心に安定した売り上げを誇っているようだ。つぼ型の容器は店頭でも目を引くものとなっており、冷蔵庫でも保管しやすく好評だという。

ソウルフード、揺るがぬ人気

四国のうどんは「さぬき」が有名だが、愛媛県松山市では「鍋焼きうどん」もソウルフードとして親しまれている。

愛麺(松山市)の「松山鍋焼うどん」

四国地域の「鍋入り生めん」分類で1位となった愛麺(松山市)の「松山鍋焼うどん」はアルミ鍋入りで、そのまま火にかけて手軽に食べられる商品だ。昆布といりこ、かつおからとった甘塩っぱい出汁に軟らかめのうどん、甘辛い味付けの牛肉が全体の旨さを引き立てる。

愛麺によると「愛媛では松山市の辺りだけが甘めの味付けが好まれ、それに対応した味付けにしてある」という。地元では冷蔵庫にいつも入っているといわれるほどの定番商品だが、季節に合わせて外装フィルムのデザインを変更するなど、購買意欲向上への努力も欠かさない。同社は「今後は県外への販路拡大も視野に入れている」。

北陸では、日常的にかまぼこを食べる習慣があり、お祝いの定番料理はカニ。この日常と特別が1つになり生まれたのがカニカマだ。

北陸地域の「カニ風味かまぼこ」分類で1位となったスギヨ(石川県七尾市)の「ロイヤルカリブ 乳酸菌入り」は、地元では「カリブ」と呼ばれ、晩酌のお供や子どものおやつなど、幅広い年代に親しまれている。「他社商品ではほとんど見られない1本1本の繊維が葉脈状になる製法で、本物のカニ脚のような食感を再現した」(スギヨ)

スギヨは「他社商品より割高だが、カニ好きの地元の人にも品質を認められている」と自信を見せる。同社によると「進学で上京した人が、スーパーにカリブが無いことに驚き、実家からわざわざ取り寄せたという話もある」というほど、あって当然の商品だ。

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全国ブランドを上回る支持
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