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20年「地方発ヒット」19選 大賞はひもで切る大福

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日経トレンディ

商品を作るだけではなく、売り方までデザインする時代がきている。新型コロナが拡大し、実店舗だけでは立ち行かないこともある。そんな中、2020年、地方からヒットした商品は何だったのか。北は北海道から南は沖縄まで、全国のヒット商品を19個まとめて紹介する。

大賞は「フルーツ大福」、ひもで切る「萌え断」が人気

SNSの活用が見事にはまって大賞となったのが、19年10月にオープンした愛知県の弁才天が販売する「フルーツ大福」だ。大福を半分に切ったときの断面が写真映えすることに着目し、切り口が崩れにくい「ひも」を付属。イチゴやキウイなどの断面を撮影し、インスタグラムに「#萌え断」タグを付けて投稿する人が続出した。断面を共有したいという思いとインスタグラムの相性が良く、瞬く間に拡散された。

オーナーの大野淳平氏は、広告やデザインの仕事をしていた過去を持つ。多くの企業の相談に乗ってきた経験を生かし、自分で何かを生み出したいと立ち上げたのが弁才天だった。フルーツ大福に勝機を感じ、「美しい断面を見せることで必ずシェアしたくなる。それには包丁ではだめで、ひもを使えばいいのではないか」と考えたという。

重要なのはフルーツや白あん、求肥(ぎゅうひ)といった素材だけではない。消費者の満足度を高めるために、できるだけ大きなフルーツを包むことにこだわり、伸びやすく破れにくい皮を研究。機械では包めないため、すべて手作業で製造している。商品の質と、その伝え方がうまく合わさった好例だ。

1号店のオープン後は、20年8月に東京・銀座に進出。当初は1日100個程度売ることを目標にしていたが、1年足らずで、1日1万個以上売り上げる店に急成長を遂げた。年末までに全国22店舗に拡大する予定だ。

「益子陶器市」ウェブ版に3週間で55万アクセス

コロナ禍で中止を余儀なくされた物販イベントをオンライン上で開催し、集客に成功したのが、20年4月29日から約3週間行われた栃木県益子町の「益子春の陶器市WEB版」。

50年以上続いてきた同陶器市の中止が決まったのは4月3日。だが早くも7日には、IT業界出身の地域おこし協力隊員を責任者とし、益子町の役場、観光協会、商工会がタッグを組んで、ウェブ版の実行委員会を設置。ウェブ版への参加を表明した作家や窯元154軒の作品の撮影、説明文の作成、ウェブサイトへの出品作業などを急ピッチで進め、例年と同じ4月29日の開催にこぎつけた。

期間中のアクセス数は、例年のリアルの来場者40万人を上回る55万件。売上額は想定の4倍程度の4700万円に達した。「北海道や関西など遠方からのアクセスも多く、ファン層の広がりを感じた。リアルの陶器市が復活しても、ウェブ版は有効な販売チャネルとして残す意向」(同実行委員会)。

マスク掛けの「しっぽ貸し手」、ネコにしたら2カ月待ち

今年の必需品であるマスクに関するヒット商品は地方にも多かった。中でもユニークだったのが愛知県の金属加工工場・山本製作所の「しっぽ貸し手」だ。

社長の田中倫子氏の前職は看護師で、「マスクを外したときの置き場に困る」という医療現場の声を解決すべく、持ち運べるマスク掛けのアイデアを思い付く。素材には、インフルエンザウイルスなどを不活化する効果があるとされる銅を含む真ちゅうを使用。そしてデザインに悩んでいたときに、1匹のネコが目の前を通った。

「尻尾を伸ばしたネコの形状なら、フックとして引っ掛けられるし、エレベーターなどのボタンを押す器具としても使える。何より見た人が笑顔になるはず」とひらめいた。予想は的中。各種メディアで取り上げられると注文が増え、最大2カ月待ちのヒット商品に。20年5月下旬に発売してから6000個以上を売り上げた。

皮膚科医のお墨付きで人気「ラ・メイキャ ゴッドパウダー」

マスク着用時のメイクが話題になったのを追い風にブレイクしたのが、北海道ナチュラルバイオグループの「ラ・メイキャ ゴッドパウダー」。皮脂や汗を吸着し、べたつきを抑えるシリカ(鉱物)が原料の、超微粒子フェイスパウダーだ。

シリカ100%使用の同商品は類似商品に比べて割高で、夏以外の販売数は例年、月に50個程度だった。しかし著名な女性皮膚科医が「マスクに化粧が付きにくくなる」と20年4月末に動画で紹介すると、注文が殺到。2日間で1万個以上を受注した。

フォロワー増で棚ぼた「くんせいナッツドレッシング」

「運も実力のうち」というが、その言葉を地で行ったのが島根県の「やすもと醤油」だ。会社の公式ツイッターの「中の人」が20年8月、「(一応)企業アカウントなので成果がないとツイッターを辞めさせられてしまう厳しい世界です」。などとつぶやいたことをきっかけに、シンデレラストーリーが始まった。

新型コロナの影響で、通販サイトを強化する施策として始めたツイッターだったが、直前のフォロワーは40人。しかし自虐ともとれるつぶやきが瞬く間に拡散され、1日で6万人まで跳ね上がった。それに伴い、「くんせいナッツドレッシング」などの商品が通常の5倍近い売り上げを記録した。

食パン1枚で食べられる!「ホットサンドソロ」が人気

実生活で得たひらめきを商品開発に生かし、ヒットに結び付けたケースも。燕三条キッチン研究所は、「2枚の食パンで作ったホットサンドを毎回残す我が子を見て」(小川陽介氏)、食パン1枚でホットサンドを作れる「ホットサンドソロ」を19年10月に開発。「こんな商品を待っていた」との声が多数寄せられ、予約から納品まで半年待ちの人気商品に。既成概念にとらわれず、隠れたニーズを掘り起こしてヒットにつなげる。そんな地方発のヒット商品の出現を21年も期待したい。

花粉の時期のいいね!が拡散、マスク蒸れ対策に「ハッカ油」

北見ハッカ通商の「ハッカ油」はハッカが原料の着香料。花粉症に悩む人の間で知られていた「花粉の時期にマスクにハッカ油を付けると清涼感があり過ごしやすい」との口コミが20年5月になってSNSで急拡散し、5月以降に注文が殺到。前年比で2倍強の売り上げが続いている。

酒造工場をアートの拠点に改修「弘前れんが倉庫美術館」

明治・大正期に酒造工場として建てられた倉庫を「弘前れんが倉庫美術館」として生まれ変わらせた。20年4月にオープン予定だったが、新型コロナの感染拡大で延期に。6月から少しずつ入館者数を増やし、7月にグランドオープン。9月22日までに1万8000人が訪れた。

三陸の海の幸を詰めた「瓶ドン」

ウニやイクラなどを牛乳瓶に詰め、その場でご飯に載せて食べるご当地丼(店内食)として、18年から宮古市内の複数の飲食店で提供。20年6~7月に通販と持ち帰り品の販売もスタートし、通販は8500セット、持ち帰りは1万数千本を販売した。

「群馬HANI-アプリ」が格好の家庭学習教材に

全国でも有数の埴輪出土県・群馬県が製作した埴輪の育成アプリ。20年3月末の配信開始直後に教育系ニュースサイトに紹介され、自習用教材に飢えていたステイホーム中の親子が注目。半年間で2万ダウンロードを突破した。19年に発行された古墳カードの人気も上昇中。

AI技術を駆使した「カワスイ 川崎水族館」

川崎駅近くの商業施設2フロア分を改装して20年7月に開業。69個の水槽を使い、地元の多摩川から、アジア、アフリカ、南米アマゾンの熱帯雨林まで、水辺に暮らす約230種の生物を集め、最新の音響やAI技術を駆使して展示。2カ月半で20万人が来館。

イーストトーキョーの新名所

浅草駅ととうきょうスカイツリー駅を結ぶ隅田川橋梁横に新設された歩道橋と、同駅間高架下に作られた複合商業施設で、どちらも20年6月にオープン。すみだリバーウォークの通行者は開業3カ月で31万人を突破。下町に新たな人の流れを呼ぶ施設として期待される。

巣ごもり需要で「あんバター」が通販で累計60万個

19年6月に発売された、粒あんにバターを加えた久世福商店の「あんバター」。現在は抹茶や苺を使った3種をラインアップする。トーストにあんを載せた写真がSNSで評判を呼び、4月と5月の通販売り上げはコロナ禍前の6倍増。累計60万個の大ヒットとなった。

見た目きれいなわさび「わさビーズ」が8万個

「わさビーズ」は、イクラのような見た目のわさび。田丸屋本店が18年に発売し、19年9月に「ラー油ビーズ」、20年7月に「ゆず胡椒ビーズ」の新商品を追加した。20年7月にテレビに取り上げられるとECの売り上げが伸長し、20年は9月までに計8万3000個を販売した。

「スライスようかん」が人気、製作風景の見える化に商機

ようかんを薄いシート状にした亀屋良長の「スライスようかん」。コロナ禍で客足が鈍る中、20年は前年比1.6倍以上の売れ行きで推移する。ツイッターやYouTubeのアカウントを開設したことが奏功し、和菓子を製作する短い動画が630万回以上再生された。

瀬戸内海と一体化したような「四国水族館」

四国最大級の水族館「四国水族館」が20年6月にオープンした。四国水景をテーマに、目の前に広がる瀬戸内海と一体化するかのような「海豚プール」が大人気。最初の2カ月間は来館者が少なかったが、8月から徐々に増え始め、9月18日に30万人を突破した。

カンパチ販売3日で1億円、ブランド名は「須崎勘八」

飲食店の休業で、高知県須崎市の養殖カンパチ20万匹が行き場を失った。地元の漁協はカンパチの名前をツイッターで公募し、「須崎勘八」とブランド化。5月からECサイトで販売すると全国から注文が殺到し、3日間で約1億円(8000匹分)を売り上げた。

「ビリー南蛮逆ギレ弁当」が売れ筋に

宮崎県内でスーパーを展開する永野が販売する珍名弁当。平日に450個売れる弁当の半分以上が20年2月に発売した「ビリー南蛮逆ギレ弁当」だ。兄弟デュオのビリー・バンバンとチキン南蛮の響きが似ているだけで決めたが、本人たちの耳に届き「公認」を受けた。

高コスパのステーキ店「やっぱりステーキ」が東京へ

150グラムの赤身肉に、お代わり自由のライス、サラダ、スープが付いて1000円(税込み)というコスパの高さが売りの「やっぱりステーキ」。15年に沖縄で開店し、20年6月には東京に初進出。オープンの様子がテレビで取り上げられると、総売り上げが3割以上アップした。

(日経トレンディ 寺村貴彰、ライター 籏智優子)

[日経トレンディ2020年12月号の記事を再構成]

日経トレンディ 2020年12月号 [雑誌]

著者 : 日経トレンディ
出版 : 日経BP
価格 : 711 円(税込み)

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