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コロナで増えた家族時間 リビングに子のテリトリーを

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ウィズコロナの暮らしになり、親がリビングで仕事をする横で、子どもが学んだり遊んだりすることは当たり前の風景になりました。休日を家で過ごすことも多くなってきました。家族が一緒に過ごす時間が長くなった今、子どもが育つ空間の在り方も変わってきているはずです。子どもの自立心や没頭力、学力を育むヒントが詰まったリビングづくりのノウハウを紹介します。

住まいに求める要素に変化が

リモートワークが広がり、家にいる時間がぐんと増えた共働き家族は今、住まいに対してどう感じているのでしょうか。家づくりやリフォームについてのコンサルティングを行うリビングデザインセンターOZONEの藤原忍さんと渡邉理恵さんに、コロナ以降、家づくりの要望に変化があったかを聞きました。

藤原さんは「リモートワークの人から、仕事をしている横に子どもがいるのは一時的なことならいいけれど、期間が長くなるとつらい、という声を聞いています。家族がオンライン会議をしているときは、テレビを見たり、音の出ることはしづらいという相談も」と話します。「これまでもリビングの一角に仕事用のカウンターをつくるなどの事例はありましたが、オンライン会議をするには使いにくかったという声もあります」

また、新型コロナによる外出自粛以降、「家の中の長年気になっていたところをなんとかしたい」「ベランダを洗濯物干しだけでなく、外の空気を味わえる場所にしたい」「まとめ買いをするようになったのでストックを置く場所がほしい」という新たな要望が加わりました。「家にいる時間が長くなったことから、住まいを便利に快適にしたいという思いが強くなっているのでしょう」(渡邉さん)。ウィズコロナの暮らしで、住まいに求める要素は変わってきているようです。

リビングは子どもが自ら育つ場所 必要なテリトリーとは?

6月に「STAY HOME わが家を幸せにする5つのTIPS」を発表し、ライフスタイルの急激な変化に対応するヒントを提供した積水ハウス住生活研究所長の河崎由美子さんは、「これまで積み重ねてきた研究が、コロナの影響で求められている住まいの要素と一致したのを感じています」と話します。

リモートワークや、家族で家事を共有する工夫、子どもの成長に対応できる間取りなどを研究・提案してきた河崎さんは「家の中でも特に長い時間を過ごすリビングを『親が子どもを育てる』のではなく、『子どもが自ら育つ』空間としてとらえてみては」と提案します。「親の役割は子どもが主体的に育つ手助けをすること。そこで大切なのが、赤ちゃん時代から子どもの『テリトリー』をつくってあげることです」

リビングは家族みんなの場所のはず。そこに子どものテリトリーをつくるとはどういうことなのでしょうか。

子どもはテリトリーを広げることで自立に向かっていく

テリトリーをつくるというと部屋やコーナーを連想しますが、赤ちゃん時代はベビーチェアからスタートすればよいそうです。「おもちゃを入れるかご1つでもかまいません。ポイントはそこが、本当にその子にとっての『 治外法権』の場所だということ。もちろん、掃除をするなどの親の関わりは必要です。しかし、基本的には子ども自身の居場所なのだと尊重してあげてください」(河崎さん)

なぜテリトリーが大切なのでしょうか。「子どもは生まれてから保育園時代までは親と共に過ごす時間が長いですが、小学校、中学校と徐々に親から離れていきます。その後、独立していくことがゴールですが、子どもはそれまでに自分で生きる力を身に付け、親から離れることを少しずつ学ばなければなりません。そこで大きな役割を果たすのが、自分の世界であるテリトリーです」

赤ちゃんのときにおもちゃのかご1つから始まったテリトリーは、椅子やデスク、棚などが加わり、少しずつ広がっていきます。親の目が必要な時期はテリトリーの場所はリビングが適していますが、思春期になると親の目から離れたところをテリトリーにしたいという子も出てきます。それが子ども部屋です。

子ども部屋は個室でなくてOK 必要な要素は一人になれること

河崎さんは、子ども部屋は必ずしも完全な個室である必要はないと話します。「リビングや共用の子ども部屋の隅を利用して、背の高い本棚と机をL字に配置すれば、個室感のあるコーナーがつくれます。大切なのは子どもが一人で自分に向かい合える場所を確保してあげることです」

その時期はいつごろなのでしょうか。河崎さんによると、女の子は小学校3年生くらいから個室を欲しがる子が出てくるそうです。男の子は個人差が大きく、思春期になっても欲しがらない子もいます。「それでも『ちょっと家族と離れていたいな』と思うことはあります。そういうとき一人になれる場所が家の中にあるといいですね」

子どもの心が安定するには、自分のテリトリーに愛着を持てることも大切です。「子ども部屋のカーテンや壁紙、家具や小物はできるだけ自分で選ばせてあげましょう。自分で決めたものがあると、子どもはその場所に愛着を持つようになり、安心して育っていきます」

テリトリーが広がってもつながりは感じられるように

コロナ禍では大人でさえ不安になることが多く、一緒にいる時間が長いため、子どもに不安が伝わりやすくなっています。そこで大切なのが親子のつながりを感じられることです。「リビングにワークスペースがあれば、親の仕事中も、子どもは一緒の空間にいることで、つながりを感じられます。高学年になり物理的に親から離れていく年ごろの子も、親とつながっていたいという気持ちはあります。親はつながりが希薄にならないように気をつけましょう」

親がいるリビングやその周辺に子どもの居場所になりそうな場所をたくさんつくるとよいそうです。「リビングの片隅にワーキングテーブルとデスクライトを置けば、そこで勉強を始めるかもしれませんし、壁に沿ってベンチを置けば本を読み始めるかもしれません。階段の途中やキッチンカウンターなど、親が思いもしないところを選ぶ可能性もあります。大切なのは、子どもが居心地のいい場所を選べるようにすることです」

イライラ対策には、ディスタンスを確保する模様替えを

親子でずっと一緒にリビングにいるとイライラしてしまうことがある、という親の声も聞きます。そんなときはどうしたらよいのでしょうか。河崎さんは「家具の配置を変えることで、同じ部屋にいる人と距離感を取った居場所が作れます。壁際や窓際に他の人から2メートルくらい距離を置くとよいでしょう」と提案します。人は座る所があると自分の居場所があると感じることができます。そこが他の人から2メートル離れていると、自分だけの居場所という感覚が持てるそうです。「実際には、親も子もリビングにいるので、お互いに安心感もあります」

リビングのローテーブルを片付けるのもおすすめです。「そうすることで、一人掛けの椅子を2メートルずつ離して置くスペースが作り出せます。ローテーブルの代わりには、マグカップが置けるくらいの小さなテーブルをいくつか用意しましょう。それを椅子の近くにポン、ポンと置くと、心地よい居場所が複数できて、家族みんなが思い思いにくつろげます」

家事シェアは子どもの自己肯定感を高め、生きる力につながる

河崎さんは「家は子どもの生きる力を育む場所」と話します。「テリトリーを確保してあげることは精神的な自立につながりますが、同時に料理や掃除といった生活のスキルを教えることも大切です」

「料理は危険が伴い、掃除も親がやってあげる方が早いので、避けていた家庭もあるでしょう。でも、今は親も以前よりは時間が取れるのではないでしょうか。ウィズコロナの暮らしを子どもの家事スキルを上げるチャンスととらえ、包丁や火の安全な扱い方や簡単な料理、掃除の方法を教えましょう。幼児でも食卓を拭いたり、キュウリを切ったりすることはできるので、家族みんなで家事を分担するといいですね」

「その際、掃除道具やキッチンツールは誰が見ても、どこに何があるか、片付けるときもどこに置いたらいいか、パッと分かるようにしておきましょう。ティッシュやトイレットペーパーのストックがどこにあるかも教えておけば、子どもが自分で補充してくれるようになります。『自分にもできる! 家族の役に立っている』という思いは、子どもの自己肯定感を高めることにもつながっていきます」

藤原 忍・渡邉理恵
ともに建築士、OZONE住まいづくりコンサルタント。住まい・インテリアに関連したプロフェッショナルや企業の情報収集・発信を行うリビングデザインセンターOZONE内のサービス「OZONE家design」で中立な立場から、顧客のかなえたい暮らし、想い描く住まいをつくる最適なプロセスを提案したり、施主と設計者、施工者とのコミュニケーションをフォローする役割を担っている。
河崎由美子
積水ハウス住生活研究所長、1級建築士。1987年積水ハウス入社。キッズデザイン、ペット共生、収納、食空間、ユニバーサルデザインなど、暮らしについて研究を続けてきた、住生活提案のプロフェッショナル。キッズデザイン協議会理事。

(取材・文 福本千秋=日経DUAL編集部)

[日経DUAL 2020年9月17日付の掲載記事を基に再構成]

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