コロナ禍で恋人に別れを告げられた
脚本家、大石静さん
2年間交際した恋人に別れを告げられました。コロナ禍での自粛期間中、「将来を考え自分のネットワークを広げたい」という理由です。彼は在宅ワークで気分が落ち込んでいる様子でした。コロナ禍が落ち着いて元気になれば復縁できるでしょうか? 別れに納得がいかず、もがき苦しんでいます。心の整理をどうつけたらいいでしょうか?(兵庫県、20代、女性)
◇ ◇ ◇
恋に落ちるときは、男女一緒に落ちることが多いですが、別れるときは、どちらかが一方的に傷つきます。残酷なことです。
私も10代の終わり、好きだった人に振られて、人生初の絶望を感じました。このまま死んでしまいたいと思ったものです。
その後も似たようなことはありましたね。なので、あなたのつらいお気持ちは我がことのようによくわかります。
でも、彼は戻って来ないでしょう。
「自粛期間中、将来を考えて自分のネットワークを広げたい」というのが、彼の別れの理由だそうですけど、ネットワークを広げたいと思うことと、あなたと別れることは、理屈として、つながりません。あなたもそう思うから、納得がいかないのでしょう。
でも、男女のどちらかが別れを切り出すとき、本当のことを言うとは限りません。
別れたいと思ってしまったら、懇切丁寧に自分の気持ちを相手に伝えても意味はないからです。
酷ですが、いらないと思ってしまうと、人は冷たいものなのです。
在宅勤務で落ち込んでしまっており、コロナ禍が過ぎ去れば、再びあなたを求めて来るかといえば、その可能性もほとんどないと、私は想像します。
本当に彼が「コロナ鬱(うつ)」になっており、すべてのことに嫌気がさしてしまい、あなたとも別れたくなったとしても、立ち直るときに必要とするのは、多分、違う女性の力でしょう。
好きだった人のことは、簡単には忘れられないとは思いますが、期待を持たない方がいいのではないでしょうか。ありきたりですが、他の男性に目を向けましょう。
月日を経ると、何であの人に執着したのかしら? バッカみたい! と思ったりするものです。違う恋が、必ずあなたを救ってくれると思うので、新たな恋のイメージを持ってください。
失恋の傷は、女性をより魅力的にするともいいますので、きっとあなたに目をとめる男性はいるはずです。
ありきたりな答えですが、それしかないと思います。
[NIKKEIプラス1 2020年11月7日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。