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「阿波牛」麻婆とたっぷり野菜が看板 東京・学芸大学

2020/11/16
看板の「阿波牛の麻婆豆腐」はくちびるのしびれが止まらぬほど山椒がきいている
看板の「阿波牛の麻婆豆腐」はくちびるのしびれが止まらぬほど山椒がきいている

連日行列ができる飲茶料理店や、マニアックな食材を使った郷土料理など、中国料理への注目が集まる中、じわじわと人気が広がっているのが「ネオ中華」。町中華の気楽さはそのままに、定番中国料理にはない新たな広がりのある料理を味わえるのが、人気の理由だ。

2019年5月にオープンした「farm studio #203(ファームスタジオ 203)」はそんなネオ中華の醍醐味を感じさせてくれる店。場所は東急東横線の学芸大学駅から徒歩2分。庶民的な酒場の多い一角にできた、スタイリッシュな飲食店がそろう「学大十字街ビル」の2階だ。店名の「#203」はこの建物の部屋番号。

Summary
1.元気がほしいときに立ち寄りたい学芸大学駅近くのネオ中華
2.看板はくちびるのしびれが止まらぬほど山椒がきいた「阿波牛の麻婆(マーボー)豆腐」
3.40種類以上の食材を使った「デトックスサラダ」は男性にも大人気

同店を営む濱田利彦さんは徳島県出身。実家が農家のため、幼いころから当たり前のようにとれたての新鮮野菜を食べて育ったそう。「farm studio #203」という店名は都会の人にも野菜をたっぷり食べてもらいたいという思いから。

「銀座アスター」で本格中国料理を習得した後、オーベルジュ形態のリゾートホテルなどで10年間、接客サービスや経営の経験を積みつつ、ソムリエの資格も取得したという濱田さん。一見、料理人から離れていたように思えるが、この時代に料理メニューの開発などを担当した経験が今、とても役に立っているという。42歳にして、「体力的に無理がきくうちに」と満を持してオープンしたのがこの店だ。

「detox salada(デトックスサラダ)」はフルーツの甘みと酸味、香味野菜のシャキシャキ感と香りが味わえる

この店に来たらぜひ食べてほしいのが、40種類以上の食材が使われた「detox salada(デトックスサラダ)」。

トッピングだけでもナッツ類、カカオニブ(ローストしたカカオ豆を砕いたもの)、大麦、フライドオニオン、グリーンレーズン、クコの実やカボチャのタネ、松の実などの種子、キノコ、キウイフルーツ、イチジク、カブのピクルス、トマト、ブロッコリー、白キクラゲと十数種類が入る。

均一に繊細に千切りされた野菜たちをトッピング&ミックスし、スプーンですくって食べる。

ひと口の中にフルーツの甘みと酸味、香味野菜のシャキシャキ感と香りが広がり、かむとナッツの香ばしさ、カカオニブのカリカリ感、大麦のもっちり感…、まるで大地がかなでる美しい交響曲のようだ。これだけたくさんの食材を使っているのに味がまとまっているのは、あらかじめ材料に油をまとわせているから。

「ただ上からドレッシングをかけただけでは野菜に味がのらないんです」(濱田さん)

味付けはベーシックなマスタードドレッシングがベースだが、使うオイルの香りを「葱(ネギ)」「山椒(サンショウ)」から選べる。

特にインパクトが強烈なのが「山椒」。ひと口食べただけで舌に電流が流れたような刺激が走り、まさに「しびれるサラダ」。山椒の香りと刺激が野菜の隠れた甘みを引き出すのか、ヒリヒリする辛さなのにスプーンが止まらない。くちびるの感覚が完全に麻痺(まひ)しても、悶絶(もんぜつ)しつつ食べ進めてしまう。

「人気の麻婆豆腐にもかなり山椒をきかせているので、この後に麻婆豆腐を食べる方には、サラダは『葱の香り』をお薦めしています」と濱田さん。

ちなみに「葱の香り」バージョンは辛みはまったくなく、葱を炒めた時の香ばしい甘みが感じられる。野菜にコクが増して、あっという間に山盛りの野菜をたいらげてしまう。

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