ネットに負けず「変わり種」増加

変わり種の事典・辞書が増えている――。「事典・辞書」の国内新刊数(全国出版協会・出版科学研究所調べ、電子書籍除く)は2019年に234点と15年に比べ4割減。推定発行部数も同3割減の94万冊と減少気味だ。インターネットで調べものをする人が増えたのが原因とみられる。ところが事典・辞書以外のジャンルで、タイトルに「事典」「辞典」「じてん」とある新刊は19年に224点と15年より3割増え、推定発行部数は124万部と「正統派」を上回る勢い。ネット上では手に入らない情報を多く載せていることから、ユニークな事典・辞書に人気が集まっているようだ。

同研究所によると、本来の辞典・辞書以外で書名に「辞書」と付く書籍はほとんどない。一方、事典や辞典と付く書籍が19年に増えたのは「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)のヒットも影響しているそうだ。いずれも書店では一般的な事典・辞書の売り場になく「実用書や人文関係に分類されていることが多い」(ジュンク堂書店池袋本店の神山葉さん)。

ユニークな事典・辞書の楽しみ方を国立国会図書館利用者サービス部の沢田大祐さんに聞いた。「まずは気になるところ、見た目が楽しそうなところを開いてみるのが第一歩。その次に『はじめに』『索引』などの本文以外のページを見ると、著者や編者がどんなことを考え、どんなところを工夫したのかなどが分かる」

■ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。(1)著者・編者名(2)出版社(3)税込み価格。書籍の表紙写真は立教大学池袋図書館(東京・豊島)の協力で三浦秀行撮影。

■調査の方法 国立国会図書館利用者サービス部の沢田大祐さんらの協力により「家族で楽しめる」「ビジュアルな図版が多い」などの視点で23冊をリストアップ。すべての本を集めて評価会を開き、専門家が実際に見て1~10位まで順位付けし、編集部で集計した。タイトルに「図鑑」とあるもの、絶版・重版未定・在庫なしは除外した。

■今週の専門家 ▽内田剛(ブックジャーナリスト)▽神山葉(ジュンク堂書店池袋本店辞典担当)▽斎木健一(千葉県立中央博物館分館 海の博物館分館長)▽高田高史(神奈川県立川崎図書館企画情報課長)▽中野香織(作家)▽西村まさゆき(フリーライター)▽浜本茂(「本の雑誌」編集長)▽林雄司(「デイリーポータルZ」編集長)▽藤村せつ子(くにたち中央図書館司書)▽松村幹彦(図書館流通センター仕入部企画担当)▽宮台由美子(代官山蔦屋書店人文コンシェルジュ)▽矢部潤子(hontoブックツリー担当)▽渡辺貴夫(立教大学図書館利用支援課)=敬称略、五十音順

(生活情報部 堀聡)

[NIKKEIプラス1 2020年11月7日付]


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