パートも社会保険入りやすく 手取り減ってもメリット人生100年時代のキャリアとワークスタイル

2020/11/16
パートタイマーなど短時間で働く人でも社会保険に入りやすくなる(写真はイメージ=PIXTA)
パートタイマーなど短時間で働く人でも社会保険に入りやすくなる(写真はイメージ=PIXTA)

コロナ禍の影響により、在宅勤務など柔軟な働き方が広がりを見せています。実は、働き方と社会保険は密接な関係があるのをご存じでしょうか。これまで短時間で従業員として働く人は、一定規模の企業を除き、自らが被保険者として社会保険に加入することが難しい状況にありました。これが2020年5月に成立した年金制度改正法により、今後段階的に適用範囲が広げられます。いったいどのように変更されるのでしょうか。

被保険者として社会保険に加入する人とは

会社員でフルタイム勤務の人にとって、社会保険(本稿では狭義の社会保険として、健康保険と厚生年金保険を取り上げます)に加入しているのはごく自然のことでしょう。会社が手続きを行ってくれるため、特に深く考えることもなく、気づいたら被保険者になっていた、という方が多いと思います。

一方、短時間で働く場合、雇用条件などによって、必ずしも被保険者になるとは限りません。

会社員や公務員の配偶者がいる場合、扶養の範囲内で働くことを意識して短時間にしている方もいるかもしれません。まず、社会保険に加入する人の要件について確認しましょう。

パートタイマーなど短時間で働く人は、同じ事業所で同様の業務に従事する通常の労働者と比べて、週の所定労働時間および月の所定労働日数が4分の3以上ある場合に健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。健康保険と厚生年金保険については、どちらかだけの加入を選ぶことはできず、要件に該当するとそれぞれ資格取得手続きを行う必要があります。

例えば、通常の労働者の週所定労働時間が40時間および月所定労働日数が20日の場合、週30時間以上および月15日以上の雇用条件であれば、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うことになります。

ただし、週の所定労働時間および月の所定労働日数が4分の3未満であっても、以下の5要件をすべて満たす場合は、被保険者になります。

短時間労働者の社会保険加入要件
(1)週の所定労働時間が20時間以上あること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金月額が8万8000円以上あること
(4)学生でないこと
(5)厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人適用事業所、および国・地方公共団体に属するすべての適用事業所に勤めていること(被保険者数が501人未満であっても、労使合意に基づき申し出をした場合)

上記の要件をみてもわかるとおり、短時間で働く人が社会保険に加入するケースは、原則として、大企業で働くケースがほとんどです。それが法律の改正によって、できる限り多くの労働者の保障を充実させるために、企業規模の要件を段階的に引き下げることになりました。

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