コロナ禍で罵り受ける電話相談員 努めて保つ心の平衡

電話相談してくる人は「敏感な人が多い」。だから相談を受ける側も、電話口で相談者に寄り添い、真摯に向き合う必要がある。そのためには、「常に自身がニュートラルの状態でいることが重要」と玉置さんは指摘する。そのために欠かさないのが「自分自身のメンテナンス」だ。コロナ禍で制約はあるが、ヨガやジョギングに励むのを忘れない。なぜなら「体は心の器であり、体が安定していれば、心も落ち着くものだから」と考えているからに他ならない。

電話口で罵られたりした後は、相談員としてあれこれ思い悩み、お酒を飲んでも忘れられることが出来ないという。そんな時、玉置さんは職場から30分ほど歩いてから電車で帰宅するようにしているという。「歩きながら、電話でのやりとりを思い返しはするが、30分もすれば頭の中は空っぽになる」。そう明かし、笑顔を見せる玉置さん。

「絶望する前に勇気を出して相談して」と呼びかける玉置さん

ベテラン電話相談員の立場から、玉置さんは「メンタルが不調な人は、自分の体が発するサインに気づかないケースが多い」とも指摘する。スマホはいつも手にしていても、電話はしない世代が増えている。「苦しいと感じるのは、自分が頑張っている証拠。生きてさえいれば、いつかだれかと出会え、人と人とのつながりができる。それがいかに素晴らしいことかをぜひ知ってもらいたい。だから、悩める人は、絶望する前にぜひ勇気を出して相談してみて」。玉置さんからのメッセージだ。

玉置和彦
精神保健福祉士、公認心理師。1966年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、東京書籍に入社し、12年間教科書営業に従事した後、退職。精神保健福祉士を取得し、医療法人梨香会秋元病院(千葉県鎌ケ谷市)にて7年間ソーシャルワーカーとして勤務した後、ダイヤル・サービスに転じ、現在に至る。企業や行政機関などでの研修の講師なども務める。

(堀威彦)

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