従来は大学構内で友人と会ったり、キャリアセンターの担当者に相談するなどして情報を得られた。しかし新型コロナの感染防止対策で大半の大学が依然入構に対し制限を設け、情報を得る手段が限られる。そのため就活生は外部に活路を見いだしているのが実情だ。

以前からコツを伝授する場として知られていた就活塾も見直されている。2005年に設立されたという老舗の一つ、東京都中央区にある「内定塾」はコロナ禍になってから入塾セミナーの参加希望者が増えたという。講師の斎藤弘透氏によると、特に学生の親がセミナーに参加し「塾では何が学べるのか」「就活はもうスタートしているのか」など熱心に質問するケースが目立つそうだ。

内定塾では就活業界に長年身を置くプロの講師が指導にあたる。全国にフランチャイズチェーン(FC)展開し、東京駅八重洲口の東京校には約100人が在籍する。

1回1時間の面談はオンラインか対面の好きなほうを選べる。3年生の秋から冬にかけてのこの時期は、夏のインターンを振り返って、就活の軸の再設定や面接で披露するエピソード探しについて議論することが多いという。さらに8人程度の模擬の集団面接も実施し、講師からフィードバックも得られる。

面談が受けられる回数に制限がないコースの受講料は約30万円。高額だが「卒業まで指導を受けられる」(内定塾)。2年生の4月に入塾すれば最大で3年間在籍することができる。

開設以来15年で卒業生は1万人を超える。中には大手企業の人事担当者になった人もいる。こうした卒業生がOB・OGとして学生の指導にあたることもある。

人材紹介会社では無料でアドバイス

人材紹介会社などでは無料で相談サービスを受けられる。人材サービスのレバレジーズ(東京・渋谷)が運営する紹介サービス「キャリアチケット」は入会した学生に就活アドバイザーをつけ、自己分析やエントリーシート(ES)の書き方などを指導する。就活アドバイザーは50人在籍。相談回数に制限はないが、2~3回受ける学生が多いという。

21年卒は約10万人が登録したという。人材が欲しい企業に対し登録する学生を紹介し、採用が決まればその企業からレバレジーズに手数料収入が支払われる。しかし「選考を受けるのは学生の自由」(同社)のため、就活相談を受けただけで終わる事例もあるという。

ほかにも、スキルを売買できるサイトやツイッターなどを通じて有料でESの添削や就活相談に応じることをうたう個人もいて、サービスの選択肢は無数にあるといえる。ただ、中には無資格でコンサルタントを名乗る人もいる。トラブルに巻き込まれないためにも、口コミなどを参考にして信頼できるサービスや人物を選ぶことが肝心だ。

最近の就活は3年生の夏インターンシップ(就業体験)が事実上のスタートで、内定が出るのは翌春になるケースが多く、長丁場になる。モチベーションの維持のためにも良き伴走者がいれば心強い。

(企業報道部 鈴木洋介)

[日経産業新聞 2020年11月4日付]

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