東大・京大105人に 進化する西大和の教育プログラム西大和学園中学・高校(下) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

一方で、02年にはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、14年にはSGHの指定も受けた。ビジネスプランコンテストの「クエストエデュケーションプログラム」にも毎年参加している。国際コミュニケーション教育の一環として「ヤングアメリカンズ」というプログラムも導入している。

さらに、英会話教室のベルリッツと提携し、体育および美術ではイマージョン授業も行っている。水泳の授業はイトマンスイミングスクールのプールを利用するなど、学校の外にあるリソースも最大限に活用する。

10年くらいまでは「塾に通わせず、すべて学校で完結させたい」というスタンスだったが、現在は「予備校や塾と呼ばれる教育機関と情報共有して、それぞれの生徒に応じた受験スタイルをつくれば、さらに本校の受験指導の質が上がるのではないかと考えています」とのこと。取材に訪れたこの日も、最終下校時刻の18時30分までたくさんの教室でさまざまな種類の補習が行われていた。

数年おきに西大和学園を訪れると、来るたびに新しい教育メニューが増えている。とにかく欲張りな学校だ。それが魅力となって優秀な生徒が集まるだけでなく、いまでは多彩な教育プログラムに関わりたいという理由で全国から優秀な教員が採用試験を受けに来るようになった。

「同じことをくり返すのではなく、昨年よりも今年を改善・改革していこうとするこの学校の体質は、まさに創立者のイズムですね」

西大和学園中学校・高等学校(奈良県河合町)
創立は1986年。2020年には東大に53人、京大に52人、国公立大医学部に46人の合格者を出した。東大・京大・国公立大学医学部合格者数の直近5年間(2016~2020年)平均は123.8人で全国8位。卒業生の衆院議員の田野瀬太道氏は、西大和学園創立者の田野瀬良太郎氏の次男で、同理事長・田野瀬太樹氏の弟。

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新・男子校という選択 (日経プレミア)

著者 : おおたとしまさ
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 935円 (税込み)

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