東大・京大105人に 進化する西大和の教育プログラム西大和学園中学・高校(下) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

「イノベーション創発人材というのは、ありそうでなかったものを生み出す発想力があるひとのことをイメージしています。グローバルビジネスリーダーというのもマインドの話であって、グローバル企業のトップを育てようという話ではありません。でも、担当教員の丸谷貴紀がいちばんこだわっていたのはプログラム名に『アクション』という言葉を入れることでした。行動主義は創立者・田野瀬良太郎のスピリットでもあります。間違いありません」

19年度に「AIセミナー」と呼ばれる講演会に登壇したビジネス界のトップランナーの経歴を見ると、ほとんどが東大出身者である。

「トップランナーの刺激的な話は、東大で学びたいという生徒にとって、進路を決めるうえで、絶好の機会になっていると思います。多くの学校がそうであるように、生徒の進路は生徒が決めれば良い。それは正しい。しかし、こんな選択肢もある、こんな世界もある、と生徒に示すことも大切です。そして、生徒が選択したことに対するバックアップは惜しまないのがうちのやり方。でも、優秀な生徒が本当にやりたいことは何なのかを突き詰めれば、やはり東大に進学したくなりますって」

訪れるたびに教育内容が進化している学校

創立者の田野瀬良太郎さんは、学生時代にヒッチハイクで33カ国を回るなどの経験をしていた。そのときに感じた問題意識を胸に政治の世界に入り、市議会議員、県議会議員として働くなかで「国づくりは人づくり」を痛感し、1986年、40歳代前半の若さで西大和学園を開いた。

新しい学校を多くのひとに知ってもらううえで、中途半端なメッセージではだめだと考えた。「西大和学園の出口に有名大学の入り口がある。そう言われるべく、まず関関同立合格の学力はつけます。そして、その延長上に国公立大の展望も開けます」と掲げた。

1日7限、2学期制にして授業時間を最大化した。さらには「ゼロアワー」と呼ばれる早朝補習授業も実施した。そのほかにも随時放課後補習やテスト、個別指導を行った。

1990年には東大と京大に初めての合格者を出し、98年には東大+京大の合計合格者数で全国トップ10入り。2010年には京大合格者で全国1位になった。そして20年には、東大53人、京大52人、国公立大医学部46人を達成するにいたるのである。

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集