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2019年の関西高校模擬国連の様子=西大和学園提供

2019年の関西高校模擬国連の様子=西大和学園提供

奈良県有数の進学校である西大和学園中学校・高等学校。課外活動も盛んで、中でも「模擬国連」は生徒が各国の代表になりきって討論し、交渉力を磨く。さらにリーダーシップの発揮の仕方や、相手の立場を考えた上での立ち居振る舞いなど多くの成長効果が見込める。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が取材した。

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模擬国連は知の総合格闘技!?

西大和学園には、部活とは別に、「特別活動」という課外活動が3種類ある。「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」「アクションイノベーションプログラム(AIP)」そして「模擬国連(MUN)」だ。

SSHはその名の通り、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール指定校としての活動だ。AIPは、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール指定校としての活動が終了したため、その後継活動として2019年度からスタートしたもの。「模擬国連」は英語科教員・丸谷貴紀先生などの発案で、09年に始まった。

丸谷先生は、08年に西大和学園にやってきた。すでに進学校として有名になっていたが、当時の生徒たちを見ていて、いわゆる受け身の勉強ばかりでなくて、もっと視野を広げて頭を使う活動をさせなければいけないと感じた。そのときに知ったのが模擬国連だった。

「模擬国連は1923年にハーバード大学にて行われ始め、現代世界におけるさまざまな課題について学ぶための先進的な教育プログラムとして、全米の公立中学校・高校にもほどなくして広まっていきました。国連の多様な国際会議を学生が模擬し、各学生が一国の大使として自国の利益を追求することにより、現在の国際情勢を深く多角的に理解し、問題対処能力、交渉能力などを高めていく活動です。模擬国連活動には、リサーチ、会議、レビューの3つの段階があります」(西大和学園ホームページより)

英語力向上が望めることはもちろん、現実の社会情勢についても学べるし、ディベートや交渉の技術も身につく。チームワークやリーダーシップについても体験的に学べる。高校生が学ぶべきことの総力を結集する、いわば「総合格闘技」のような活動だ。

09年に西大和学園での模擬国連活動がスタートすると、12年には全国大会で審査員特別賞を受賞し、ニューヨークでの世界大会でも優秀賞を獲得する快挙を成し遂げた。

ただし、参加校が増加したため近年では全国大会への出場の難易度が上がっている。実は西大和学園もここ数年全国大会への出場を果たせていない。「もっとコンスタントに全国大会に出場できるようにして、関西での模擬国連の中心地だと思われるように発展させていきたい」と丸谷先生は意気込む。

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