その一方で一部の人たちの生産性を下げる場合もありました。未熟なのでどうしても仕事の生産性が低くなったり、あるいはついサボったりすることもあったようです。そのため会社との間に不信感を高める場合もありました。

結果として会社によっては、成熟している人たちにも監視的行動を強化し、働きにくい状況をつくり上げてしまうことになったのです。そんな人たちがあるべき働き方を求めて離職することが増えたように思います。

自然に裁量度を高めてしまうリモートワーク。それに対して監視を強める対策は経営にとってマイナスでしかありません。しかしサボってしまう人がいるのも事実です。そんな状況の中、私たちは、よく言われる組織としての心理的安全性の逆で、個人に対する企業からの信頼度を高めていく取り組みを進めることが有効です。

成熟度の証明はプロセスと成果

会社から信頼される、というと大仰ですが、シンプルに言えば上司に「サボっていない」と思われる働き方をどうやって見せるかが、働く一人一人が考えるべきポイントです。

「結果を出していればいいでしょう」

そう考えるのは自由ですが、ではその結果はいつ見えるのか。自分がどう考えるかではなく、上司からどう見えるのかを考えなくてはいけません。

重要なことは、今まで以上にプロセス面を可視化することなのです。そしてプロセスの可視化とは、報連相の徹底に他なりません。あるいは計画性をもって、進捗状況を共有することでも大丈夫です。

広がった裁量度に対して、あなたが「成熟」している度合いを証明することが重要なのです。そのために必要なことはプロセスの証明であり、そのことに対する上司などからの信頼であり、結果としての数字です。

さてあなたは成果を出すための選択肢として、リモートワークを使いこなしていますか?

もしかして、権利としてのリモートワークだけを要求していませんか?

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

※平康慶浩氏の書き下ろし新刊「給与クライシス」(日経プレミアシリーズ)が発売されました。ジョブ型雇用にテレワークの普及……会社員の働き方と雇用や給与の在り方が大きく変わるいま、どうすれば自分のキャリアと生活を保っていけるのか。人事のプロが考えます。

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