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CM・主題歌が殺到、chelmico 「嘘つけないもんね」

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日経エンタテインメント!

アーティスト然とせず、いつも楽しみながら歌う姿が印象的な2人組のガールズラップユニットchelmico(チェルミコ)。CMや主題歌といった数多くのタイアップの話が舞い込んでくるのは、2人の自然体の魅力によるものが大きい。彼女たちに結成までのストーリーから、リリック(歌詞)のつづり方まで聞いた。

タイアップは2020年に入った今も、多くの人に名前を知ってもらう起爆剤として、有効な手立てだ。chelmicoをご存知だろうか。もしユニット名にピンとこなくても、『爽健美茶』25周年キャンペーンテーマソング『爽健美茶のラップ』(19年)を担当し、CMに出演していた2人組を覚えている人もいるだろう。

地上波テレビへの露出はまだそれほど多くはないが、すでに、アップル「Apple Watch Series4」の『Player』、ドラマ『四月一日さん家の』主題歌『switch』など、タイアップで引っ張りだこだ。

今年は1月期の人気アニメ『映像研には手を出すな!』の主題歌で、突っ走る列車を思わせる威勢のいいトラックや、元気でハッピーなラップが印象的な『Easy Breezy』がヒットし、注目度がさらにアップ。お茶の間ばかりか海外にも広がったこの曲で、2月に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)への初出演もかなえた。アニメのタイアップは2人にとって初めてで、挑戦的な楽曲となった『Easy Breezy』は、いかにして生まれたのだろう。

私たちと同じマインドだった

Mamiko(以下、M) 『映像研』のスタッフさんたちと打ち合わせした時に、湯浅政明監督から言われたのは「疾走感」というワードのみ。自由度高く楽曲を作らせてもらえると思い、うれしかったですね。原作マンガを読んだら、主人公の女子高生3人組のキャラクターが、ほぼchelmicoと同じマインドだったので、嘘がないリリックが書けると思いました。

Rachel(以下、R) そうだね。怖いもの知らずで、好きなことだけやってる姿に共感できた。私たちの思いを代わりに言ってもらってる感覚になれたので、ちょっと強気な言葉で書きました。

M (サビにあたる)フックに関しては、カラオケに2人で集まって30分ぐらいで考えたよね(笑)。

R ryo takahashiさんがすごくいいトラックを作ってくれたので、リリックもすぐに浮かんだ。「一張羅/パリッと着込んで」は、一張羅という言葉が珍しいので狙って入れました。「売れる曲は、今まで他の曲で歌詞にされてない言葉が入っている」と音楽評論家の近田春夫さんが著書で言っていたので。

M Rachelはシステム、ロジカルに考えるのが得意なんです。

R お守りみたいな感じで、珍しい言葉は入れるようにしていますね。(フック2行目の)「戦闘モードなんだこりゃ」はマミちゃんが出してくれて面白いなと思った。

M そうだっけ? 

R 自分からは出てこないようなフレーズが、パッと出てくるのはすごいなといつも感心してます。

M あと、湯浅監督は海外でも人気の方なので、フック直前に入るフレーズは英語がいいなと思い、「Easy Breezy」(=大したことないよ)にして、それをタイトルにもしました。

R 実際にYouTubeのコメント欄が国際色豊かになったし、「弾いてみた」「歌ってみた」動画も海外の方が増えたよね。そのおかげか『Mステ』にも出られたし(笑)。

M そうだね。『Mステ』の反響の大きさにも驚きました。「やっぱり、タモリさんは強い」って(笑)。

ヒットを喜びながらも、2人の姿は自然体で肩に力が入っていないように見える。そもそも「リップスライムが好き」という共通点から友達になり、一緒にカラオケでリップスライムの曲を歌って楽しんでいた。そんな彼女たちが、なぜプロのラッパーになったのか。ユニットの成り立ちやデビューまでの経緯を話してもらった。

最初は「思い出作り」で

R 14年に私が「ミスiD」(※)に選ばれたとき、イベントでラップを披露することになって。人前でやったことがなく不安だったから、マミちゃんを誘ったのが始まりです。

(※)新しい時代にふさわしいまだ見たことのない女の子を発掘し育てる講談社主催のオーディション

M 私は当時高校3年生で「高校最後の思い出作り」みたいなノリで。別にラッパーになりたいとかなかったし、表に立つことも考えてなかった。やってみたら、「なんか評判イイね」って調子に乗って(笑)。それまでは、1人で完結する趣味ばかりだったから新鮮だったし楽しかった。

R 翌年に行った次のライブイベントで初めてオリジナル曲をやったんだよね。ただ散々だった……。

M 15分間ライブするって大変なんだなって思った。当時はまだ人前に立つのが恥ずかしかったし、何もできなかった印象がある。

R そんななか、マミちゃんの知り合いが恵比寿の「BATICA」というクラブのイベントに出ないかと声を掛けてくれた。あれが転機だったと思う。

M 私がchelmicoとして活動し始めたのを知って、連絡をくれたんです。何もしてなかった高校生が急にラップし始めたから、面白いと思ったんだろうね(笑)。

R 2人で会いに行ったら、「主催ライブをしてみないか」と提案されて。お金のことは心配ないと言ってくれたし、何も知らなかったから、「いいですね」って(笑)。

M 無謀だけど、そこで今も仲のいいアーティストさんと一緒にライブをするようになりました。今思うと、その当時は私たちのようなテキトーな感じで、楽しそうにやってる女性ラッパーが珍しかったんだと思う。

――メジャーデビューはレーベルからのオファーですか?

M リップスライムさんに憧れていたから、メジャーデビューしたいんじゃなく「ワーナーミュージック・ジャパン/unBORDE」に入りたかった。それで、公式ツイッターに「入れて」って書き込んで、ガン無視されたりしてたんです(笑)。そもそも、メジャーデビューがゴールじゃなかったし、むしろ「デビューしたらウケるね」みたいな感覚だったんで。

R 周りに仕事をしながらラップを続けてる人が結構いたから、それでもいいと思っていたしね。

M インディーズのアルバム『chelmico』(16年)を出した頃から、風向きが変わってきました。取材を受ける機会も増えたし、unBORDEのスタッフさんが、たまたまタワーレコードで私たちのアルバムを買って、「かっこいい。chelmicoって女性2人組がやってるらしい」と社内で勧めてくれたみたいです。

R で、今に至る(笑)。デビューする前からご指名でタイアップをいただくことも多かったし、ありがたいよね。

M タイアップが多いからという理由で、音楽番組に呼ばれたこともあった(笑)。Rachelは周りを巻き込んでいく力があり、私はもともとつながってる人が運を呼んでくれる……みたいな感じはあるかもしれない。

むろん、彼女たちは単なるラッキーガールではない。結成以来、楽曲制作に加え、自分たちがどう見えるか、どう見せたいかを考え、衣装やアートワークなどを含めて、トータルのセルフプロデュースをしてきた。地味な事務作業からイベントの主催までこなすなかで、アーティストとしての総合力を身につけていったのだろう。

スキルを高める一方で、縛られない自由な存在感も2人の大いなる魅力。「爽健美茶」のCM撮影でのエピソードが、それを端的に物語っている。最新アルバム『maze』には、前述の『Easy Breezy』他、多くのタイアップを収録。変に忖度(そんたく)することなく、伸びやかに翼を広げて創作できたようだ。

全部さらけ出したアルバム

R 「爽健美茶のラップ」で、CMディレクターの方が「chelmicoは言ってることに嘘がない。2人が『おいしい』と言うと、そう思わせる力がある。だからCMに向いてる」と言ってくれたことがありました。

M 実際に、嘘つけないもんね。

R (深く頷きながら)1つ嘘ついたら終わりだよね。それは大事にしています。

M 「爽健美茶」が持ち歌にあるのは面白いよね(笑)。ほかのタイアップ曲も、直しがほとんどないのは幸運だなって思っています。

R 『maze』に入っている『Limit』も、まさにそうだね。フィットネスクラブ「JOYFIT」さんとのコラボソングですが、「運動できない」みたいな内容だし(笑)。

M それを、「全然いいと思います」って許可してくれた。みんなchelmicoに甘くて(笑)。

R 結果的にニューアルバムの『maze』は、これまでのchelmico作品より自由度が上がったし、歌詞もよりパーソナルなものになり、恥ずかしさが何もない全部さらけ出したアルバムです。

M 『ごはんだよ』は、作り方も今までの枠にとらわれてない。長谷川白紙さん(CDショップ大賞2020に入賞した新鋭ソングライター)とコラボしたんですが、刺激的で楽しかった。

R 私たちはラッパーだから、「これが言いたい」と歌詞から曲作りを始めます。でも、白紙さんは大学で音楽を理論的に学んでいるから知識が深いし、曲も音やリズムから作っていくスタイルでした。

M 32小節連続でラップしたのも挑戦だったよね。

R 普段は短い小節で区切って、交互にラップすることが多いんですが、1番をマミちゃん、2番を私という形で完全に分けた。それによってリリックにも変化が。私のパートでは、子どもの頃と今の自分を行き来するような、不思議な空気感を出せたと思います。

M 確かにアルバムでキーとなる曲になったし、いい曲を作りたいという気持ちがより一層強くなったよね。

R 「chelmicoって、なんかワイワイしてて楽しそう」と思って入ってみたら、それだけじゃなくクセもあってちゃんと引っ掛かる。『maze』はそれを形にできた。これからはさらに幅広い音楽性を持ったアーティストを目指していきたいですね。

『maze』
 前向きで心弾むアップチューン『Easy Breezy』や音数の少ないトラックにクールなラップが映える『Terminal着、即Dance』などのタイアップ4曲を含む。新鋭からベテラン、ジャンルも多彩なアーティストとコラボし双方の才能を"まぜ"あった13曲を収録。(ワーナー/通常盤2800円)

(ライター 橘川有子)

[日経エンタテインメント! 2020年10月号の記事を再構成]

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