2020/11/4

問題は子どもではなく親の側に

子どもが湯水のように親のクレジットカードから課金できるのは、一見すると子どもの問題と思いがちですが、実は親の問題です。おそらく、有料アプリや、一度きりと懇願されたゲーム課金のためにクレジットカード番号を登録してしまったのでしょうが、そのまま放っておいたのなら、高額請求が来ても仕方がありません。

一度使わせたら、面倒でもカード番号を消すなど、子どもが自由に使うことができない環境をつくる。これが大切です。利用ごとにメールで連絡が来るように設定する、利用の上限額を設定する、またはそもそも登録するカードをプリペイドにするなど、工夫することが必要です。プリペイドカードなら、お子さんが持てるものもあるので、親のカードにこだわる必要もありません。

利用に制限がかけられると、思ってもいなかったような高額請求がきて子どもが叱られ、落ち込むこともないでしょうし、親も心配しなくてもよくなります。ルールを設け、風通しよくしておくと、課金などによるトラブルを避けられるでしょう。

ネットショッピングも

お子さんのスマホのショッピングアプリについても同様です。クレジットカード番号は一度登録するとそのまま残っていることがほとんどです。繰り返し利用できるので、子どもがショッピングに使ってしまうこともあります。

新しく出たゲームソフト、はやりの洋服やアクセサリー……。親に言っても買ってもらえないものを、ここぞとばかりに、こっそりと購入してしまうケースもあります。高校生くらいになると、親の支払いになることをしっかり理解した上で、確信犯的に買い物をするというケースもあるようです。代引きだと手数料がかかる――こんなことを理由に親にクレジットカードで立て替えさせ、「あとで払うから」と言いながら時間とともに親への支払いをうやむやにするというお子さんもいらっしゃるようです。

クレジットカードなどネット上で決済できるシステムは、これからの時代なくなることはありません。トラブルを避けるには、子どもが利用するカードと親が利用するカードを分けること、利用する都度メール連絡が来るよう設定するなどして、利用状況を把握しやすくすることが大切です。加えて、子どもにはお金が見えない支払いでも、確実にお金を使っていることを理解してもらえるよう、自分の小遣いから支払わせる仕組みをつくりましょう。

どうしても親のカードで払うときには、支払い明細が届いたときにきちんと子どもに金額を見せ、請求しましょう。そういう経験も、立派な金銭教育につながります。

クレジットカードの利用は、特にネットの場合は支払っている感覚も薄くなりがちで、子どもに限らず大人でも、使い方を失敗することがあります。そう言ったことを未然に防ぐために、ゲームでもショッピングでも、大人と子どものお金を分けることが良い策だと感じます。そして、カードを分けることができても、できなくても、お金の使い方にルールを設け、楽しみには楽しくお金を使い、必要なお金も残していける。そんな習慣をつくっていただきたいと思います。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。

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