親のクレカでゲーム課金 高額請求で慌てないために

2020/11/4
スマホのゲーム課金で高額請求を防ぐには(写真はイメージ=PIXTA)
スマホのゲーム課金で高額請求を防ぐには(写真はイメージ=PIXTA)

「スマホのゲーム課金により、何万円もの高額請求を受けた」という話は以前からありました。今年は新型コロナによる外出自粛や学校の休校の影響でゲームをする時間が増えたこともあって、ゲーム課金のトラブルについて話を聞くことが多かったと感じています。

家計相談で伺った中では、高額な買い物をしていないのに突然20万円を超える高額請求がきて、驚いて確認したら子どものゲーム課金によるものだったということがありました。カードの名義人ではない子どもがクレジットカードを利用してしまうと、たとえ親は知らなかったとしてもクレジットカード会社から管理責任を問われてしまうこともあります。

ゲーム課金は小遣いの範囲でと約束をしているご家庭も多いようですが、それでもトラブルはなくなりません。いまやスマートフォンやクレジットカードは生活必需品ですから、上手に付き合えるよう、お子さんとはよく話し合ってほしいものです。

子どもの小遣いの範囲を厳守

なぜ、多額のゲーム課金ができてしまうのかというと、親のクレジットカードを使ってしまうから。家計から支払うことが難しい金額まで使ってしまうこともあります。家計に影響が出れば、日々の生活に支障を来し、将来の貯蓄計画に影響することさえあります。これではいけません。

支払いについて、きちんとルール化すること。これが大切だと思うのです。

ロールプレイング、パズル、スポーツ、アイドル育成など、実にさまざまな種類のゲームがあり、ある程度まで無料で楽しめます。ただ多くのゲームでは、「課金」をするとよりゲームを楽しめる仕組みがつくられています。その課金の代表的な方法であり、高額な課金につながりやすいのが、「ガチャ」と呼ばれるものです。

ガチャとは、ゲーム内で使えるレアなアイテムなどが当たる電子くじのこと。路上などで見かけるカプセル玩具が語源で、硬貨を入れてハンドルを回すとプラスチックケースに入った商品が出てくるように、中身が何かは買ってみないと分かりません。スマホゲームのガチャは1回で数百円、一気に10回連続でガチャを回せるものだと2000円以上かかるものもあるのだそうです。

夢中になった子どもは、お金がいくらかかっているのか全く意識せずにガチャを回し続ける……、そしてそこに「親が気がつかない」ということが加わると、高額請求になってしまいます。ならば、親のクレジットカードを子どものスマホにひも付けないでゲーム課金を楽しんでもらうようにしてみましょう。

上手に楽しんでいるお子さんは、毎月の小遣い、またはお年玉や誕生日などにもらったお金で、自分で計画を立てて遊んでいます。スマホの課金はクレジットカードで決済することが多いのですが、ブランドプリペイドと呼ばれる、VISAやMastercard、JCBなどの国際ブランドがついたプリペイドカードならば、クレジットカード会社の決済システムを使って買い物などの支払いができます。クレジットカードではないため、あらかじめカードにチャージされた残高がなければ使用することはできませんから、子どもの小遣いの範囲内で利用できるというものです。

それでも、子どもに全て任せておくのは危険です。使う時には、親に相談、もしくは事後報告をするなどのルールを加えた方がいいかと思います。

もし、ゲームに夢中になり、自分が自由にできるお金の全てを使ってしまえば、それで終わり。他に欲しいものも買えず、新しいガチャもできず、悔しい思いをすることになりますが、それが学びとなります。自分の限られたお金をゲーム課金に使うことが、有効なお金の使い方かどうかを考えていけるのなら、ゲーム課金も悪くはないでしょう。

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問題は子どもではなく親の側に