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2020/11/9
取材日の「せいろそば」は5日間熟成させた長崎県対馬在来種

一番注文が多いのは「せいろそば」だという。取材当日使われたのは、5日間熟成させた長崎県対馬在来。そばは熟成させるとうま味が増す。

熟成そばは状態を見てから出すかどうか決めるため、常にあるとは限らない。「今日はあります」と勧められたら、ぜひ試していただきたい。

目の前に置かれたそばは表面に少しテカリがある。一般的にゆで上がったそばは水でしっかり洗い流してぬめりを落とすが、「おさめ」ではぬめりも在来種特有の味の濃さやうま味と考え、水で軽くしめる程度にとどめている。

「お客様には最初そのまま食べていただき、そのあと塩で食べることをお薦めしています」そばそのものの味をより深く感じてもらうためだ。

みずみずしくコシのあるそばはつるりとのどを通っていく。かみしめるとモチモチし、ほのかな甘さと香ばしさが口いっぱいに広がり、濃厚なそばの香りが鼻から抜けていく。塩をパラリとつけていただくと、穀物由来の甘さがより強く感じられる。

つゆは鹿児島県枕崎でとれた本枯節と荒節がブレンドされただしを使った江戸前のつゆ。カツオだしのコクと香りがしっかりときき、甘辛のバランスがとれたつゆはそばの豊かな風味を引き立ててくれる。

温かいそばで人気なのは「かけそば」。当日打ち立ての長野県乗鞍在来を使用

温かいそばで人気なのは「かけそば」。こちらは当日打ち立ての長野県乗鞍在来を使用。玄挽きではないのに、野趣が感じられる力強いそばだ。

薬味は別添えになっており、最初のひと口では、カツオだしがしっかりきいたつゆと、温かいつゆに負けない風味を持つそばとの出合いをシンプルに楽しめる。

かけ汁はソウダガツオから作られるソウダ節と、サバ節をブレンドしてだしを取っている。うま味が濃く、香りが上品なかけ汁はカツオ節の香りが主張し過ぎず、在来種のそばの香りを邪魔しない。

「そばを食べる前に、酒を飲みながらちょっとした料理をつまんでいただく。そういった『そば前』を楽しんでもらう店にしたいと考えていました」(納さん)。

旬の素材を生かしたひと品からそば屋の定番まで「ちょっと一杯」が楽しめる料理がそろっている。

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